「ゴジラ70周年記念作品」であり、日本製作の実写版ゴジラ作品30作目となる映画「ゴジラ-1.0」が2023年11月に公開され、2024年3月に「第96回アカデミー賞」で視覚効果賞を受賞した。“怪獣映画の金字塔”の快挙に日本中が沸いたのもまだ記憶に新しいが、日本最大級の映画専門チャンネル「ムービープラス」では、「ガメラ(平成三部作)イッキ観!特集」と題して、7月14日(日)に“平成ガメラ三部作”「ガメラ 大怪獣空中決戦」「ガメラ2 レギオン襲来」「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」を放送。3作目の公開から25年の時を経た今もなお、ゴジラと並んで根強いファンを持つガメラの名作が堪能できそうだ。そこで今回はこれまでの「ガメラ」シリーズを振り返りつつ、“平成ガメラ三部作”を手掛けた凄腕のクリエーターにスポットを当てて魅力を紹介する。
映画第1作では“悪魔の使い”として恐れられた古代怪獣
1965年に公開された映画「大怪獣ガメラ」で登場した“ガメラ”は、カメのような硬い甲羅を持ち、下アゴから鋭い一対の牙が生えていて、口から火を吐くこともでき、手足を引っ込めて回転しながら空を飛ぶ。映画第1作では、“悪魔の使い”として語られていた古代の怪獣で、北極の氷の中で眠っていたが、核爆発によって閉じ込められていた氷が割れて覚醒。最終的に日本に上陸して大暴れする。最初は凶悪な怪獣として描かれていたが、子どもに対して友好的だったり、違う面が見えてきたりして、「大怪獣決闘ガメラ対バルゴン」(1966年)、「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」(1967年)、「ガメラ対宇宙怪獣バイラス」(1968年)、「ガメラ対大悪獣ギロン」(1969年)、「ガメラ対大魔獣ジャイガー」(1970年)、「ガメラ対深海怪獣ジグラ」(1971年)というふうに“地球の守護神”として凶悪な怪獣たちと対決するようになった。そして1980年、全宇宙征服をもくろむ宇宙海賊がギャオスやバルコンなど怪獣軍団を送り込み、9年ぶりにガメラが帰ってきた「宇宙怪獣ガメラ」へとつながっていった。
“ガメラ”のキャラクター、そして世界観を作り上げた“昭和ガメラ”シリーズも名作ぞろいだが、さらに進化を遂げ、新たな魅力を見せてくれた“平成ガメラ三部作”もガメラファンから熱い支持を受けている。
ガメラ30周年イヤーに“平成ガメラ”第1作が誕生
平成ガメラ第1作「ガメラ 大怪獣空中決戦」が公開されたのは、ガメラ30周年のメモリアルイヤーとなる1995年。24年ぶりのシリーズ「完全新作」となったこの作品は、長崎・五島列島に現れた古代怪獣ギャオスと、それを迎え撃つ地球の守護神ガメラとの壮絶な闘いが描かれた。第2作「ガメラ2 レギオン襲来」(1996年公開)は、ギャオスとの戦いから数年後の冬の北海道が舞台になっている。流星雨が世界各地に降り注ぎ、その一つが北海道の支笏湖周辺に落下。これがきっかけで巨大な草体と、それに共生している数千、数万の群れを成す体長約3メートルの異形の生物たちが札幌の街に現れた…。
そして第3弾「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」(1999年公開)。東京におけるガメラとギャオスの闘いで両親を亡くした中学生の少女・綾奈(前田愛)は、奈良県に住む親戚に引き取られていた。ガメラに憎悪の念は消えず、周囲の人たちとも打ち解けられない状況の中、祠の中で謎の生物を発見。それに“イリス”と名づけ、ガメラを倒すことを願って育てた。しかし、それは恐ろしいギャオスの変異体だった…。ストーリーも三部作ということで関連があり、作品ごとに楽しめるが、3作見ることで大きなストーリーが見えてくる。
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