コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、サンデーうぇぶりに掲載中のIZさんが描く『ドラゴンと言葉を教えあう話』(『災禍の竜の島』より)をピックアップ。
IZさんが2024年6月20日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、3.2万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、IZさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
竜と人との心温まるストーリー
天変地異を司り、これまでに何度も文明を滅ぼしてきた「災竜(さいりゅう)」が住む世界。島の民・サギッタは、ある時漁に出たが荒れる波に流され、災竜の住処にたどり着いてしまう。決して近づいてはいけないと教えられる災竜に、全身のにおいを嗅がれるサギッタ。しかし、その災竜は突然人の姿に変わり、人の言葉をしゃべりだした。
片言で話す災竜が自分を襲うわけではないと分かったサギッタは、災竜の翼で家に帰らせてくれと頼む。しかし、災竜が言葉を完全に理解できないとわかり、今度は必死でジェスチャーを使って気持ちを伝えようとする。すると災竜もジェスチャーや鳴き声で何かを伝えようとするが、その意味を理解することができなった。そしてお互いの意思を伝えあうために言葉の勉強会が始まるのだった。
作品を読んだ読者からは、「竜語かわいい」「想像よりも踏み込んだ異言語コミュニケーション」など、反響の声が多く寄せられている。
作者・IZさん「『その人外』だからこそ起きる問題や物語」
――『ドラゴンと言葉を教えあう話』(『災禍の竜の島』より)は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
昔からドラゴンが好きなのですが、どうしてもドラゴンがメインの話じゃない限り倒される存在として描かれることが多い。それがなんとなく悲しいし悔しくて、人間と友達になりたいドラゴンの話を何がなんでも世に出してやるという気持ちで描きました。
なかなか上手くまとめられず時間がかかってしまったのですが、シジュウカラの言語と「ヒックとドラゴン」がヒントになりこういったお話になりました。
あと…世に出てる作品って女の子に変身するドラゴンが多いので…あの災竜はどうしても男の子ドラゴンが読みたくてできたキャラクターでもあります。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
「その人外」だからこそ起きる問題や物語ですね。前作ではせっかく人外を出したのに人外に焦点を当てた物語にできてなかったので。他の動物や人間キャラで代替可能だったら、あんまり人外にする意味がないんじゃないかなーと思うので、外面は人に変身しても内面まで人にはさせず動物らしさを強く残しました。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
動物くさい仕草が書けてとても気に入ってます。撫でられることに慣れてなくて、簡単に撫でさせてくれない所が良いのです。
――Xの投稿には「めちゃくちゃ良かった!」「最高すぎ」など多くの反響が見られました。このような反響をどう感じておられますか?
100人に一人でも1000人に一人でも誰かの性癖に深々と刺さったらいいなと思ってましたが、思いのほか多くの方の性癖に刺さったようで嬉しいです。頑張って描いた甲斐がありました。
――IZさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
あの世界、きっとあの災竜以外にも様々な竜や人間たちがいていろんな形で関わりあって生きているはずです。そんな世界の一端をいろんなキャラクターの視点で今後も描けたらいいなと思います。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
今回読んでくださった皆様、ありがとうございます!!大感謝です!!
今後も私が思い描いた空想の世界をもっと魅力的にお見せできるよう精進いたします。