悩みや挫折がたくさんあった高校時代
――アウェーがだんだんホームになってきている感じなんですね。高校生が主人公ということで、河野さんも高校生役。実年齢から10歳ほど年下の役ですが、制服、似合っていますね!
JO1の企画で制服を着ることもあるのですが、コスプレみたいな感覚。でも今回は、17歳として存在しないといけないというプレッシャーみたいなものがありました。
――今の高校生を演じてみて、自分の高校時代と変わっていましたか。
変わらないですね。好きな人にドキドキしたり、多感なところは高校生らしいなと思います。
――制作発表では、「高校時代は目立ちたがりで、友だち作りのために入学初日から各クラスを訪問して歌った」というご自身のエピソードを披露されていました。そんな陽キャ高校生の河野さんにも、悩みはあったのでしょうか?
ありましたよ。もう、高校受験から悩みだらけで。受験のための模試では、志望校E判定(可能性20%以下)。しかも、模試を受けた人の中の志望校別順位で最下位だったこともありました。どうにか志望校に合格できて、サッカー部に入部しても、サッカーで結果を出せなくて、試合に出られなくて落ち込んだり…、高校に入ってからも悩みや挫折がたくさんありました。
でも僕ってずっと、自分が優れた状況にいたことが少ないんですよね…。逆境が多かった。だからそれくらいのポジションの方が、自分には心地よくて。「どうせダメなんでしょ」くらいの方がノビノビできるみたいで、好んでそっちに行っている気がします。チャレンジャー体質なのかもしれないですね。
楽しんで取り組むことが大事
――初の連ドラ出演ですが、改めて役者という仕事に対してどのような想いを抱いたのかを教えてください。
歌とは、また違いますよね。台本の1文字1文字を大切に汲み取って、自分なりに解釈して演じるってすごい仕事だなと思います。このドラマを終えるころには、僕も人としての深みが増しているんじゃないかな?
でも、演じるという仕事を思った以上に楽しんでいます。うん、好きですね。そう思わせてくれるスタッフさんにも感謝ですし、楽しめているということは、向いているのかも。監督に「もっと悩んでくれ」と言われるかもしれないけれど、楽しむのも大事だと思うので、これからも楽しんでやっていきたいと思います。上手いか下手かはわからないけれど…、ね(笑)。
――この作品から、視聴者の方に受け取ってほしいことは?
福と宝、2人を見届けるような気持ちで観ていただきたいです。この作品って、主人公と同世代の高校生だけじゃなく、親御さんの世代はもちろん、あらゆる世代の方々の心に響くと思うんですよ。特に高校生は、共感する部分がすごく多いはずなので、教科書のように受け取って、糧にしてほしいです。
でも重いだけの話じゃなくて、僕が演じる飯田と矢沢には主役の2人とは違った視点で繰り広げる微笑ましいシーンもありますので、飯田と矢沢にもワクワクドキドキしながら観ていただけたらうれしいです。すごくいいんですよ(笑)。とても純粋に、すごく青春だなと思うので!
◆取材・文=坂本ゆかり