5才のピュアさのまま大人になったみたいな感じ
――悪女になりきるために意識していることや、役作りしていることなどはありますか?
すごく純粋なみのりが不倫という出来事で一気に黒い感情になりますが、面白いのはそこに至るまでの機微だと思うんですよね。だから、急にバッて変わるのではなく、そこの機微をきちんと丁寧に演じることが大事だなと思っています。
もしかしたら、不倫されているのにふと笑顔になってしまう瞬間があるのかもしれないし、思いもよらない表現が出てくるかもしれない。でもそれを「いやいや、不倫されているのに笑ってるなんておかしいでしょ」っていう常識とか固定概念にとらわれないで、そのときに生まれる感情を表現できたらなって思います。
それができたら、漫画や脚本に描かれている人物が“人間になる”っていうことなのかな、と思いますし、そういう面白さを加味できたら、立体的な面白さをドラマで楽しんでいただけるんじゃないかと思います。
――みのりの夫・勇大役で竹財輝之助さん、勇大の不倫相手・理子役で野波麻帆さん、理子の息子・渉役で野村康太さんが出演されますが、共演者の皆さんの印象を教えてください。
竹財さんは何度か共演させていただいたことがあるのですが、今回初めてがっつり共演させていただきます。みのりにとっては“勇大しかいない”っていう人生だったので、私はいかに勇大のことを盲目的に愛せるか、ということが重要なのかなと。たくさん好きになりたいなと思います(笑)。
憎むのはその後だと思うので、まずはすてきなところをたくさん知っていけたらいいなと。それで裏切られたって知ったら、あとは簡単な気がするので、そこからはもう身を任せるだけかなって思いますね。
康太くんは本当に染まってなくて、“こんなにピュアな人いるんだ”ってちょっと恐ろしくなりました(笑)。汚したくないというか…。5才のピュアさのまま大人になったみたいな感じがして、クランクインしてからまだ2日しか経ってないですけど、本当に純粋な人だなって思いました。
あと、理子役を野波さんにやっていただくのは私もすごくうれしくて。先日初めてお会いしたのですが、本当に明るくてきれいで凛としていて…。野波さんがどういう風に演じられるのか本当に未知数なので、これからすごく楽しみですね。