「キングダム」信で一流アクション俳優に脱皮
そんな中、2019年4月に公開された映画「キングダム」を契機に、山崎にまた新たな顔が加わった。今度の顔は、強烈な肉体改造とスキル習得で作り上げた“アクション俳優”だ。現在までに単行本72巻が刊行され、累計発行部数は集英社の青年漫画史上初めて1億部を超える(2023年11月時点)大人気コミックを原作に、“天下の大将軍”という夢に向かって駆け抜ける中国春秋戦国時代の戦災孤児・信というキャラクターが、山崎をさらなる高みへと押し上げた。
中でも、撮影の何カ月も前から厳しいトレーニングを重ね、吹き替えなしで演じた一連のアクションシーンは第1作から観客を魅了した。もともと10代の頃から舞台「里見八犬伝」(2014年ほか)で殺陣のトレーニングは重ねていた山崎だが、「キングダム」では持ち前の身体能力をさらに強化。
第1作で左慈役を務めた俳優・アクション監督の坂口拓をして「俺は賢人じゃなくて“信と戦ってる”という瞬間があって。そんな気持ちになったのは初めて。賢人は信に似て本当に真っすぐで。ブレのない思いが剣に乗る。鍛えたらハンパないですね」と言わしめたほどの一流アクション俳優へと成長を遂げた。
「キングダム」は「人生そのものです」
こうして作られた、信の物語。2019年公開の第1作「キングダム」を皮切りに、2022年公開の「キングダム2 遥かなる大地へ」、2023年公開の「キングダム 運命の炎」と、同シリーズは2000年以降シリーズ化された邦画実写作品で、1作目から3作連続で50億超えという史上初の偉業を達成。シリーズ累計動員数1000万人を超え、数々の映画賞を獲得した。そして山崎自身も、中国エンタメアワード・IQIYI授賞式アジアベスト俳優賞、「WEIBO Account Festival in Tokyo 2020」最優秀俳優賞、「ニューヨーク・アジアン映画祭」The Best from the East Awardと、世界で高い評価を受けた。
今回劇場公開されるのは、それに続く第4作。また、動画配信サービス・Leminoでは第1作「キングダム」と第2作「キングダム2―」が7月5日に見放題配信された。
第4作公開にあたり、山崎は「20代のほとんどを信と過ごしてきたので、本当に人生そのものです。信と一緒に成長してきたなと思っています」と感慨深げ。第1作から伝説の将軍・王騎役で共演してきた大沢たかおも「ただでさえかっこいいのにどんどん男らしく体も筋肉質になっていって。信の成長と同じように山崎賢人という俳優がかっこよく成長していく姿を横で見られて本当に素晴らしい7年間だったなと思います」と振り返る。