コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、宮田ナノさんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「もしもし、こちらは夜です」だ。6月に発売した書籍から公開された第2話は、7月12日時点で1万以上のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。今回は作者の宮田ナノさんに制作の背景を伺った。
夜が魅せる癒しのコミックエッセイ
今作の舞台は、夜。
深夜の原稿作成中に見る白日夢。
夏の夜、ベランダで過ごしてさまざまなことを発見する時間。
子どもの頃、憧れのいとこのお姉ちゃんに教えてもらった秘密の夜更かし。
明るく人が行き交う昼間とは違い、さまざまな体験ができる夜が舞台となり、誰もが「分かる」と共感できるようなエピソードや、癒しのエピソード、ドキドキするエピソードなどが存分に詰まっている。
どのお話も夜にゆっくりと読み進めたいものばかりだ。
実際に漫画を読んだ人達からは「穏やかになりました」「今晩はベランダに出てみようかな」「素敵だ」「めちゃくちゃ刺さった」「一瞬で好きになってしまった」「夏が待ち遠しくなる素敵な漫画」と、いった声があがっている。
今回は、作者・宮田ナノさんに『もしもし、こちらは夜です』の制作について話を伺った。
作者・宮田ナノさんの創作背景とこだわり
――「もしもし、こちらは夜です」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
「久々に夜ふかしをして夜風の匂いを嗅いだら、夜が好きだったことを思い出した」という内容の漫画をSNSにアップしたことがあるのですが、それを見た編集さんから「夜がテーマの漫画を描きませんか」とお声がけいただいたのがきっかけです。
夜にまつわる思い出は自分の中でも大切なものが多かったので、描いて残しておきたいと思いました。
――「もしもし、こちらは夜です」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?
心で捉えたことをなるべくそのままの形で言葉に変換したく、言葉選びには時間をかけました。
ト書きやセリフを練る作業は漫画を描く工程の中でも特に好きで、こだわっているところかもしれません。
絵にかんしても、なるべく記憶の通りに描写したいと思っているのですが、中盤に登場する祖母の再現度(服装、振る舞い、etc.)が非常に高いと身内から評判で、祖母本人にも喜んでもらえたので、読者の方にもぜひ注目していただきたいです。
――今作で特にお気に入りのシーンやセリフがありましたら理由と共にお教えください。
第2話「夏の夜のベランダ」に描いた、ベランダから見える街明かりの描写が気に入っています。
実はあれから引っ越しをしたので、もう見ることのできない景色なんです。
描き残しておいてよかったなと思います。
――漫画を描く際に大切にしていることや意識していることはありますか?
取るに足りない出来事を共有できることがエッセイ漫画の良さだと思っているのですが、人に読んでもらうことを意識しすぎると「いいことを描かねば」「もっと緩急があったほうがよいのでは…」などとガチガチになってしまうので、あえて「これはあくまで私の個人的な日記であり、作品ではないのだ」と考えるようにしています。
そうして肩の力を抜いてはじめて、あったことを素直に、飾らずに描けるように感じています。
――宮田ナノさんの今後の展望や目標をお教えください。
新たに走り出した本がいくつかあるので、まずはそちらに楽しく向かいつつ、SF風漫画や文章エッセイなど、ずっと挑戦してみたかったジャンルにも少しずつ手を伸ばしていきたいです。
――最後に宮田ナノさんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
いつも本当にありがとうございます。今後も細々とではありますが、絵や文章やエッセイなどいろいろなものをつくり続けていきたいと思っておりますので、楽しみに見守っていただけたらうれしいです!
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