10年前のヒットドラマ「失恋ショコラティエ」(2014年、フジテレビ系)が、今また熱い注目を集めている。きっかけは、FOD・TVerで開催中の「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」で6月の無料公開作にピックアップされたこと。“全員片想い”のストーリーで令和の視聴者の心もがっちりつかんだ同作から、松本潤演じる主人公・爽太が捨て身で挑んだバレンタイン・イブの告白シーンを振り返る。(以下、ネタバレがあります)
「ずっと紗絵子さんのことが好きなんだ」
第36回講談社漫画賞(少女部門)を受賞した水城せとなの人気コミックをドラマ化した本作。一途な片想い男子・小動爽太(松本)は、学生の頃から思い続ける小悪魔系女子・紗絵子(石原さとみ)への恋にけじめをつけることを決心。すでに人妻になっている紗絵子に、バレンタイン前日の13日、告白を決行した。
「俺、紗絵子さんに喜んでほしくてショコラティエになったんだ」
「バカみたいだけど、ずっと紗絵子さんのことが好きなんだ。今でもずっと。本当に好きだよ。どんだけ時間が経っても、紗絵子さんだけは俺の中で特別なんだ」
“悪い男になって紗絵子さんの気を引こう”と考えていた頃には言えなかった素直な気持ちを、穏やかな表情で伝えていく爽太。
そして、「もうやめるね」「もう先に進んでいいんだって、やっと思えるようになったんだ」と失恋宣言。その瞬間、爽太の言葉をじっと聞いている紗絵子の表情がこわばる。
だが爽太は続ける。「俺、紗絵子さんのこと好きになって、本当に良かった。俺、これからはちゃんとまっとうに自分の人生やっていくからさ。紗絵子さんも幸せでいてね。ずっと、元気でいてね」。その言葉に、紗絵子の瞳から一筋の涙がこぼれる――。
ポニーキャニオン