謎のキーワードは「虐待」
ここで、刑事ものやミステリーもの好きであれば、家族の証言は証明力が低いのではと思ったことだろう。やがて、それが本当に疑惑となった。花音が「家族は家族を守るためにうそをつくことがある」と指摘したのだ。
すると、蒼佑の不穏な描写が。自宅で右手から血を流しながら「ごめん、母さん。また、やっちゃった」とつぶやいたのだ。さらにその後、蒼佑が母である由香にDVしている可能性があることと、夜遅くにフードをかぶって街を歩く怪しい蒼佑の姿が映し出された。
同じころ、警部補の五味(黒木)らが別の連続傷害事件の被害者が全員、子どもを虐待していたことに気付いた。そこから五味は連続傷害事件と灰川邸事件がつながっているのではないかという勘が働く。
冴木は花音の指摘から蒼佑のアリバイがうそだったことを調べ、蒼佑が犯人かもしれないと行き着いた。いや、花音への伝言で打ち明けた「自分自身、家族を守るため見て見ぬふりをしていました」というのが本音だ。
冴木と蒼佑の父は虐待していた可能性があることが暗示されたのだ。第1話で虐待されていた幼い花音を灰川は自宅に連れ帰ったことから、集められた子どもたちも被虐待児だった可能性がある。
新たに浮かび上がった“虐待”というキーワード。冴木が自分の本当の思いを隠しながら静かに真相に迫っていく様子にグイグイと引き付けられ、蒼佑の謎に行き着いたときはゾクッとした。だが、ラストはさらに衝撃が。灰川が留置所で首を吊っていたのだ。
冒頭、身柄を確保された灰川が警察署に連行されてきたとき、廊下にいた冴木にすれ違いざま「刑事にしては面白いにおいがするな」と言った。石けんとたばこのにおいがしたことで「君は本来の自分が、にじみ出ることを恐れている」と指摘し、さらには蒼佑の兄だと気付いた。何かを感じ取る嗅覚の鋭さがあった灰川の真実がますます気になる。
SNSは「怒涛の展開であっという間の1時間」「怒涛の展開であ然としている」「展開が怒涛すぎてずっと心拍数速い」「最後どういうこと?」「まだ2話なのに情報量が多い」などと騒然としていた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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