今年4月に開催された世界最大級のストリートダンスバトル「DANCE ALIVE HERO’S 2017」のKIDS部門で優勝を果たし、日本一のキッズダンサーとなったMia。大阪を拠点に、ソロだけでなくK’steel、泉州水なす隊としてもコンテストやバトルで輝かしい結果を残すなど、これからの活躍がさらに楽しみなダンサーの1人です。まだ子供らしい一面を見せながらも、高校1年生となり大人らしい考え方もするようになった彼女が語る、ダンスへの思いとは?
一緒のラインに立ちたいし、さらに一緒に頑張っていきたい
――ダンスを始めたきっかけは?
「お母さんがDA PUMPが大好きで、その影響で2歳くらいのときにお母さんに勧められて体験レッスンを受けに行きました。でも、そのときのことは全然覚えてなくて(笑)。4,5歳のときにダンススタジオで走り回っていたのは覚えています! それからレッスンは受けていたけど、小学5,6年生のときくらいから自分で『ダンスを頑張ろう!』と思うようになりました。」
――バトルやコンテストに出ている印象がありますが、初めて出たバトルのことは覚えていますか?
「緊張しちゃって、全然踊れなくて固まっとったのを覚えています。もともと自由に踊るのが好きで、野外イベントに行ったときにサイファーしているのを見て楽しそうだなぁと思ってバトルに出てみたんですけどね(笑)」
――踊るときに意識していることは?
「自分を持っとかなあかんから、自分らしさを残すようにしています。あとは、メンタルが弱くて緊張しやすいので常に笑っておくようにもしています!」
――バトルのときは?
「とにかく楽しむ! 『勝つ』って考えてしまったら空回りして踊れなくなっちゃうから、楽しんで自分らしく落ち着いて踊るようにしてます。」
――先日開催された「WDC 2017 FINAL」では、ReiNaちゃん(QueenMe/RIEHATATOKYO)と組んで出場していましたね。どうして東京で活動するReiNaちゃんと組むことになったんですか?
「出会って4,5年経つんですけど、同年代のダンサーをいっぱい見てきて、刺激をもらえるのがReiNaかな、と。よく海外にも行っとってスゴイと思うし、良い刺激をくれる存在なんです!」
――ReiNaちゃんも含めて10代のダンサーを見て、どう思いますか?
「自分ももっと頑張らな!って思う。まだ自分はそんなに海外へ行っていないし、これからもっと頑張って一緒のラインに立ちたいし、さらに一緒に頑張っていきたい。」
「どっちでも良い」と思われるような踊りはしたくない
――海外といえば、7月にマカオで開催されたバトルに挑戦していましたが、日本との違いは感じましたか?
「全然違いました! 日本のバトルだとジャッジは3人いることが多いけど、マカオではジャッジが2人でした。あとは、予選の仕方も違いましたね。2列に並んで1人ずつ踊るんですけど、ジャッジ2人がそれぞれ1列ずつ見てピックアップするんです。言葉も違うし、ルールも違うので予選から戸惑いました。」
――レベルの違いは感じましたか?
「スキルが高すぎる! 身体能力が違う! あとは、ちゃんと自分が持っているものを崩さない。Miaは緊張したり、戸惑うと“自分”が崩れちゃうから、そういう部分の強さをすごく感じました。」
――今年に入って初めてジャッジも経験したそうですが、実際にやってみてどうでしたか?
「ジャッジするだけじゃなくて総評も言わなくちゃいけないので、見ながら考えることが多くて大変でした。片方が良かったらパッと選べるけど、できればドローは出したくないのでどっちも良かったときのジャッジが難しい。勝敗は決めたいけど、この子の◯◯は良かったし、あの子の△△は良かったし…って考えちゃって。で、最後の総評のときは緊張して声が震えました(笑)」
――本当に緊張しやすいんですね(笑)。ジャッジを経験したことで、バトルに出るときに意識することが変わったんじゃないですか?
「『どっちでも良い』と思われるような踊りはしたくない、パッと決められるような踊りをしよう、と思うようになりました。」
KYOKAちゃんみたいに愛される人になりたい!
――憧れのダンサーは?
「師匠のKYOKAちゃん。たくさんのことを経験しているし、海外で感じたことを1個1個教えてくれたり、海外でやったダンスをレッスンでやってくれるんですけど、そこから感じることがたくさんあります。自分が「DANCE ALIVE HERO’S 2017」で優勝できたのはKYOKAちゃんのお陰。自分のダンスを語る上でなくてはならない存在です! KYOKAちゃんみたいに愛される人になりたい!」
――優勝したとき、KYOKAさんは何か言っていましたか?
「優勝した日の翌日がKYOKAちゃんの誕生日で『良い誕生日プレゼントになったよ』って言われて、めっちゃうれしかったです!」
――そう言えるKYOKAさんってカッコイイですね! K’steelというチームで活動しているけど、チーム名にKYOKAさんの「K」が入っていることにプレッシャーはありましたか?
「最初の方はありました。KYOKAちゃんの生徒として見られるし、バトルやコンテストで結果を残しているLil'Kもいるし。KYOKAちゃんの生徒も増えてきたことで、その分チームも増えて、みんなコンテストとかで結果を残しているので負けていられないですね。ライバルではあるけど、もちろん仲間でもありますよ!」
――初めてKYOKAさんの踊りを見たときの印象は?
「めっちゃカッコイイ! グルーヴ感やひとつひとつの動きに意味があるんです。どんなジャンルのダンスも踊りこなせちゃうのも本当にスゴイ!」
――DREAM GIRLS(Ruu、IBUKI、KYOKA)のレッスン動画を見て、ああいう踊りもできるんだ、とビックリしました。
「あれもヤバイです! 惚れましたもん(笑)。KYOKAちゃんのJAZZレッスンも受けていたんですけど、自分のレッスンを持つことになって、時間が被って受けられなくなっちゃって。」
――もう自分のレッスンを持っているんですね!
「 今年5月から始めました。自分はずっと教わる側だったので、いざ教えるとなるとどうすればいいのかわからなくて難しいです。あとは、キッズばかりだから飽きないようにしなくちゃいけないんですけど、それもまた難しい。でも、生徒が「Miaちゃん大好き!」とか言ってくれるから可愛くてしょうがないです。」
――教えるとなるとまた違いますよね。何か工夫していることはありますか?
「1人1人のことをちゃんと見ないとあかんから、ただ前に立って自分が踊るだけじゃなくて一緒に踊るようにしています。」
――Miaちゃんの生徒からすごいダンサーが誕生しそうですね。
「そのためには、まず自分が頑張らないと!(笑)」
「もっと勉強しないと!」と思いました
――夏休みはバトルやコンテストにも挑戦して忙しそうだったけど、宿題は終わりましたか?(笑)
「それが宿題はなかったんですよ。『あったらどうしよう、やるヒマがない!』と思っていたので安心しました(笑)。」
――勉強は得意ですか?
「めっちゃ苦手です(笑)。全然できない!」
――でも、海外へ行ったときに英語は必要になるから頑張らないといけないですね!
「そうなんですよね。この前、海外へ行ったときに『もっと勉強しないと!』と思いました。単純なことしかわからなくて、パーっと長く話されちゃうと何を言っているのかわからなくて『ん?』ってなっちゃう(笑)。」
――普段はどんな生活を送っているんですか?
「学校が終わったらレッスンや練習に行く。ダンスばかりです(笑)。今年の夏休みは大阪で「DANCE ATTACK」というコンテストがあったので、ダンスの友達がたくさん家に泊まりに来て、そのまま一緒に遊びました!」
――直近での目標はありますか?
「今年は挑戦していこうと思っているから、大人のバトルに出て、キッズでのバトルとは違う空気を感じてみたいです。そういう部分から何か学べたらいいな、と思います。」
――大人のバトルに出て違いは感じましたか?
「キッズだとジャンル分けされていなくてフリースタイルが多いけど、大人はジャンルで分かれているからやりやすいですね。速い曲だと『無理無理!」』ってなっちゃうのでフリースタイルが苦手なんです(笑)。」
――大学進学は考えていますか?
「大学には行かないで、ダンスで頑張ろうと思っています。だから甘いことはできないんです! 今はダンスに関してまだまだ甘いと感じることが多いから、すごく考えますね。いざ高校生になると大人に近づいて、仕事のことも考えていかなあかんし、難しい。でも、KYOKAちゃんがいなかったらここまで考えていなかったですね。」
――30歳のときはどうなっていると思いますか?
「想像つかないけど、ダンスはやっていたい。今の20代、30代のダンサーのダンスを見ていると渋くてカッコ良いな、と思うんです。でも、まだ自分のダンスは子供っぽいと思うから渋くなりたい!」
――将来の夢は?
「今年は日本一になれたから、次は世界へ行っても通用するダンサーになりたいです!」
(撮影●田村与 取材・文●msk(onelove))