TVアニメ「逃げ上手の若君」(毎週土曜深夜11:30-0:00ほか、TOKYO MXほか/ABEMA・ディズニープラス・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)の第二回が7月13日に放送された。第二回では、鎌倉奪還を目指す主人公・北条時行の冒険に新たな仲間が参戦。見事な連携プレーにより、日本屈指の鬼畜武将・五大院宗繁を打ち負かした。(以下、ネタバレを含みます)
「逃げ上手の若君」
本作は、「魔人探偵脳噛ネウロ」「暗殺教室」で知られる松井優征が週刊少年ジャンプ(集英社)にて連載中の歴史スペクタル漫画を原作としたTVアニメ。鎌倉幕府滅亡の後、北条家の生き残りである主人公の北条時行が動乱の世を駆け抜ける姿を描く冒険譚だ。
アニメーション制作は「SPY×FAMILY」や「ぼっち・ざ・ろっく!」などを手掛けるCloverWorks、監督は「ワンダーエッグ・プライオリティ」で副監督を務めた山崎雄太、シリーズ構成は「その着せ替え人形は恋をする」の冨田頼子、キャラクターデザインは「劇場版ポケットモンスター ココ」で総作画監督を務めた西谷泰史が担当。奇才の製作陣が、美麗かつ迫力のある映像で歴史の一片を紡ぐ。
頼重の時行に対する忠誠心が表れたエピソードとは
伯父・五大院宗繁(CV:伊丸岡篤)との命をかけた鬼ごっこで、記念すべき初陣を飾った北条時行(CV:結川あさき)。まだ勝利の実感が得られずにいる時行は、戦いにおいて自身を導いてくれた弧次郎(CV:日野まり)と亜也子(CV:鈴代紗弓)に礼を述べる。
すると、諏訪頼重(CV:中村悠一)は時行が鬼ごっこで勝利する条件として、時行が戦場で最優先に狙われる貴重な将であること、刀となるべき信頼できる郎党を持つことを挙げ、「これら二つを満たすには、貴方様が北条の遺児たる誇りを忘れずに人が惹かれる正しい人間であればいい」と伝えるのだった。
時行は仲間たちの前で必ず鎌倉の地に戻り、幕府を裏切った足利高氏(CV:小西克幸)をいつか倒すと高らかに宣言。鎌倉を旅立ち、頼重の領地へと向かう一行の旅路が絵巻風のイラストで描かれる。「のちに天下を震撼させる少年は新天地にて成長していくことになるーー」というナレーションがまたいい。第一話にて死亡した時行の許嫁・清子の声も担当していた松田颯水のナレーションは軽快ながら深みがあり、NHK大河ドラマのような壮大な物語を想像させるのだ。
しかし、そこから一転し、時行が頼重の本領・諏訪大社から脱走しようとするシーンが映し出される。本作のこうした唐突な場面転換は秀逸だ。この間に何があったのだろうと、一気に興味を引かれる。なぜ時行が脱走を図っているかといえば、鎌倉奪還に向けた鍛錬として頼重が勧める武芸や学問に意味を見出せなかったから。命を助けてくれたことに感謝しこそすれ、時行はまだ頼重のことを完全に信用したわけではない。
頼重に何度捕まっても逃げ回る時行に、弧次郎たちは呆れ気味。それでも頼重だけは時行のことを信じていた。お飾りの王となる定めを背負わされ、自分の目標を持つこと、真剣に学ぶ意味を得ることすらもできなかった時行の生い立ちも理解している。そんな時行の目の前で頼重が雨を晴らしてみせるシーンは幻想的だ。さらには諏訪明神を信じる一万もの武士たちで構成された「諏訪神党」の結束力を見せつけ、「貴方様には神がついているのです」と時行に語る頼重。「さあ、今日は何をいたしましょうか」という頼重の問いかけに、時行は「机に…戻って…学びます」と答える。ふざけているように見えるが、頼重の北条家への忠誠心は人一倍強い。それを行動で示し、見事に時行からの信頼を勝ち取った。
▼ABEMAで「逃げ上手の若君」を見る
https://abema.tv/video/title/26-227
▼Disney+で「逃げ上手の若君」を見る
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/the-elusive-samurai
▼FODで「逃げ上手の若君」を見る
https://fod.fujitv.co.jp/title/00nf/
▼Huluで「逃げ上手の若君」を見る
https://www.hulu.jp/the-elusive-samurai
▼Leminoで「逃げ上手の若君」を見る
「逃げ上手の若君」視聴ページ