コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画家のなんぽさんが手がけた『ゴミカスアイドル更生させないと私が死ぬ』第1話をご紹介しよう。
同作は「GANMA!」にて連載中の作品で、絶大な人気を誇るアイドルグループ「DUST TRASH」のメンバーが殺害され、その事件に巻き込まれる主人公「ミオ」の様子が描かれている。衝撃的な展開が話題になったようで、なんぽさんがX(旧Twitter)に投稿した第1話には7.3万もの「いいね」が寄せられた。
大人気アイドルに全く惹かれないミオ…その後に訪れたのは命の危機?
新星の如く現れたアイドルグループ「DUST TRASH」のメンバー5人は全員が“ガチモンのクズ”で、それが絶大な人気を得た理由だった。
ミオはDUST TRASHのファンである親友のるるあに連れられて彼らのライブやってきたが、ファンに対して罵声を飛ばしたり、女性ファンを抱こうとしたりするメンバーたちの言動を見て「狂ってる…」と呆れていた。
つい「ここにまともな人間はいないの?」とるるあに聞くと、「このクズなのがいいんじゃん」と応え、さらに「ナル様とかは? すっごい顏がいいよ!」とメンバーのひとりを勧める。ミオは咄嗟にナルに視線を送ると、ナルは応援用の団扇を持っていないミオの存在に気づく。そして彼女に近づき、「ねぇ 君」「君 推し居ないのにライブ来てんの?」「何かしてあげよっか 深いほうのチューとか?」と声をかけた。
ライブ中なのにもかかわらず、さらにミオに近づいてキスをしようとするナル。しかしミオは「はじめてなので!好きな人とじゃないとイヤです」と彼を拒む。ミオの反応に傷ついたのか、ナルは「こんなに顏がよくても嫌なの?」と言って泣き始めてしまう。
その後、るるあの推し活に付き合い、帰宅途中にナルを思い出して赤面するミオ。それでもミオはファンにならず、るるあの惚気話に付き合いながらも家路をたどる。そして、3日後、同じバイト先で働いていたミオとるるあは、ネットニュースによってDUST TRASHの5人が何者かによって殺されたことを知るのだった…。
衝撃的な展開が次々と繰り広げられる同作に対し、読者からは「最初はアイドル系の話かと思ったら、どんどんシリアス展開になって目が離せなくなった」「予想外の連続」など好評の声が続出。そこで作者のなんぽさんに同作を描いたきっかけやこだわりについて話を伺った。
描いたきっかけは「推しに熱中する友人の気持ちを理解したかった」
――『ゴミカスアイドル更生させないと私が死ぬ』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
正直私はアイドルや何かを熱狂的に推すといった経験はありません。ただ、周りには推しに熱中する友人などが多く、彼女たちの気持ちを理解してみたかったので、漫画にしたら少しは分かるかなと思って描いてみたのがきっかけです。
理由は私が描いてて1番楽しい話を作ろうと思ったからです。読む人を驚かせられるようなストーリーと描いていて楽しいキャラを並べまくりました。私が描いてて楽しんでないと、読んでる人が楽しめるわけないと思ったので、ギャグもサスペンスもラブコメも全部混ざっているストーリーにしたつもりです。
最初は汚い少女漫画を目指していましたが、最近少女漫画を名乗っていいのかわからなくなってきています(笑)
――『ゴミカスアイドル更生させないと私が死ぬ』第1話を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
漫画内でとんでもないことがよく起こるのですが、できるだけポップに描くようにしています。「よく読んだらこの出来事シリアスじゃない?」みたいなことをできるだけシリアスに描きたくないので、頭を空っぽにして読めばギャグ漫画に、ちゃんと読めばサスペンス的要素も楽しんでもらえるようには意識してます。
――『ゴミカスアイドル更生させないと私が死ぬ』第1話で、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
るるあとミオが飛び降りるシーンですね。理由は理想の理不尽が描けたからです。友人に殺されるならコレを言われそうと思ってセリフにしたんですが、未だにるるあには全然共感できません(笑)
コレ言われながら親友にビルから落とされたら、私はそのアイドルを後生まで恨んでしまいそうです。自分が読んでて気持ち悪いなと感じるので、良く描けたと思っています。
――同作に登場する男性アイドルグループ「DUST TRASH」のメンバーは個性豊かなキャラですが、何かモデルだったり、描く際に思い入れがあったりなど、創作した時のことについて教えてください。
生きてきた中で出会ったクズ男トップ5に、モテる要素と自分のダメな所を足して割ってキャラにしました。想像を漫画にするより、現実にあったヤバい話をモデルにした方がぶっ飛んでて面白かったからです。
モデルにしたクズ男達は、全員社会的には意外とちゃんとしていて、容姿や環境にも恵まれていたんですが、本当に先のことを考えていなくて、「これしたら全て失わない?」って踏みとどまることも悩まず行動してるんですよね。あとバイタリティと体力が凄いんです。
いわゆる「クズ」も一周すると逆に凄いなと思うところもあったので、その時の謎のリスペクトの気持ちを忘れないように描いています。気をつけているのは、変に情状酌量の余地を与えないことです。理由なくクズだったり、性格悪かったりしてるところがあっていいと思います。
――今後の展望や目標をお教えください。
いろいろと考えていることがあるので、今後伏線回収していきたいなと思ってます。あと夢オチエンドにしたら親と縁を切られるので、夢オチにだけはしません。安心して読んでください。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
学生時代や会社員時代、漫画を楽しみにもうちょい頑張るかと思えたことが多かったので、読んでる人にもそんな気持ちになってもらえたら嬉しいです。普段コンビニの店員さんとしか話さないので、コメントもらうと社会との繋がりを感じています、無茶苦茶ありがたいです。
絵も話も構図も、もっともっと良くして楽しんでもらえるよう頑張ります、応援していただけたら嬉しいです。