コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、外見も内面も冴えない女子中学生・楠木静さんと同じく冴えない男子中学生・志月恵助くんとの「陰キャ」な2人の言動の物語が共感を呼んでいる「傘を貸しても陰キャ男子と陰キャ女子では恋愛に発展しない話」をピックアップ。なお、本作はWEBマンガ誌「comic POOL」で連載中の「楠木さんは高校デビューに失敗している」(著:みいみつき/出版:一迅社)に登場するキャラクターの中学生時代の1シーンを描いた「番外編」である。
作者のみいみつきさんが2024年7月14日にX(旧Twitter)に投稿したところ、3.3万件を超える「いいね」を獲得し、「萌え萌え〜」「こんな陰キャいたら普通にかわいい」などの反響が寄せられた。本記事では、みいみつきさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。
寒さで震えている楠木さんに傘を貸してあげる志月くん
雨の日、地味な女子中学生の楠木さんは傘がなく玄関で震えていた。周囲の男子生徒たちは彼女をからかい見下していたが、同じく地味な男子生徒、志月くんは黙っていられず傘を貸してあげた。楠木さんは感謝しながら傘を返す際に志月くんの名前を聞こうと決心するが、内向的な性格で何も言えず、ただ傘を返すだけだった。一方、志月くんも自身の「陰キャ」ぶりを自覚し、傘を貸した行為が恥ずかしくて自分を責める。二人はお互いの名前を知ることすらできず…。
パッとしないヒロインの女子生徒と男子生徒のぎこちないやりとりや想いを交差させた青春ラブコメディーが話題となっている。恋愛に発展しそうで発展しない二人の微妙な関係に、X(旧Twitter)上では「自分はデブではないが、なんか身につまされる」「おもろそうな神発見」「下心なしに傘を貸すのがイケメンなのです!」といったコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。
「変わる前の雰囲気をリアルに表現できるよう描きました」作者・みいみつきさんが語る創作の裏側とこだわり
――「傘を貸しても陰キャ男子と陰キャ女子では恋愛に発展しない話」のモチーフはどのようにして生まれたのでしょうか?
男の子が女の子に傘を貸すという行為は昔から恋愛漫画における定番のシーンかと思うのですが、中学時代の志月と楠木はお互いを認識しているものの交流がなく、しかも陰キャなので、そんな2人だったらこのシーンでどんな反応をするかなと考えながら描きました。定番のオチとはならないのがこの2人らしいなと思っています。
――ヒロインの冴えない女子中学生、楠木さんはいわゆる「陰キャ」として登場してきますが、家での楠木さんはかわいらしく、また前向きな印象を受けます。このギャップを描こうとした意図は何でしょうか。
あくまでもこれは連載中の作品の番外編なので、高校デビュー前の陰キャ2人がどのような交流をしていたのかを見せられたらいいなというくらいの意図でした。
――本作では、これからヒロインの楠木さんが変わっていく可能性や男子生徒の志月くんと「友情」や「恋愛」の関係に発展しそうな雰囲気を漂わせています。本作を書く上でこだわっている点がありましたら教えてください。
変わった結果を連載中の作品で見せているので、変わる前の雰囲気をリアルに表現できるよう描きました。
――本作で、みいみつきさんお気に入りのセリフやシーンなどがございましたら教えてください。
楠木の入浴シーンはお気に入りです。地味な女の子がメガネをとったら可愛いという定番のシーンなので、傘のくだりとはいい対比になっているかと思います。
――本作で、読者に注目してほしい点などがありましたら、お聞かせください。
やはり2人の関係性ですね。中学時代はこの距離感だったんだというのを楽しんでもらいたいです。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。
連載中の「楠木さんは高校デビューに失敗している」もこれからどんどん面白くなるので、期待してください!