CS放送「衛星劇場」では、3月31日に京都南座で収録された舞台「あゝ同期の桜」を、8月11日(日)夜7:15よりテレビ初放送する。
3度目の上映で演出に加え、錦織一清が初出演
本作は、特攻隊員たちを描いた青春群像劇。海軍飛行予備学生十四期会による遺稿集「あゝ同期の桜 帰らざる青春手記」をもとに榎本滋民が手掛けた。昭和42年国立劇場で初演され、ドラマ化、映画化もされた。
その後、イマジンホール上演用に書き直して、錦織一清の演出で2015 年、 2016 年に上演。2024年に3度目の上演を迎えた。2024年の上演では、錦織一清は演出に加えて、初出演も果たしている。戦時中を笑顔で強く生き抜こうとする登場人物たちの姿が胸を打ち、多くの好評の声が寄せられた。
錦織のほか、渋谷天笑、岡本悠紀、高橋虎之介、渡口和志、吉田和正、室将也、片岡保海、釜谷海来、新井元輝、岡澤由樹、小澤真利奈、惣田紗莉渚、高汐巴が出演する。
特攻隊員たちを描いた青春群像劇「あゝ同期の桜」あらすじ
学徒動員が全学生に適用され、昭和十九年二月一日に特に優秀なる官立私立の大学生が、第十四期海軍飛行予備学生として、霞ヶ浦の海軍航空隊に配属された。その中には、官立大学成績主席の諸木、全日本で柔道空手の大会で優勝した神崎、飛行機乗りに憧れる工学部秀才原、実家の寺を継ぐ塚本、哲学者を目指す中沢、親孝行なクリスチャン西、皆それぞれに将来を夢見ていた青年がいた。
軍事教練は、通常は4年かけて卒業するところを4カ月での速成士官教習で、体力知力共に、日々お国のためにと歯を食いしばって、精神論が強調され、先輩や上官からは、自省しろと鉄拳制裁の毎日。厳しい訓練を終え、各見習い士官は、方々の基地に配属され、戦局が思わしくない状況で、徐々に前線へと配属されていき、同期の者が次々と命を落としていく。
その中で、昭和二十年春、桜舞い散る季節、鹿児島の最前線基地鹿屋に十四期の士官たちが配属されてきた。つまり、操縦できる人間を最後の決戦に備えてのこと。昨年秋に行われた神風航空隊の活躍は、そこで戦死した人間が軍神とあがめられており、集まった面々は自分たちの出撃命令がいつ下されるか待機していた。
そんな折、いいなずけや両親が訪ねてきたり、地元の女学校の生徒たちが、お餅を作ってくれたりと、穏やかな青春の時間を過ごすこともあった。いよいよ、特攻の日。悠久の大義に生きるべく笑って死地に赴いていく若者たち。指導してきた豊島中佐や参謀たちは敬礼したまま見送るのであった。
※高汐巴の「高」は「はしごだか」
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)