コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、かめの まくらさんが描く全身全霊でネタツイ制作に取り組む『本気でネタツイをする男の話』をピックアップ。
かめの まくらさんが7月27日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、9.3万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・かめの まくらさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
オレは面白い…ネタツイに全てをかける大学生の想い
主人公・尾崎青十(おざきせいと)は、私立文系大学の1年生。趣味はネタツイだ。尾崎は、世間はまだ自身の面白さには気づいていないが、一度万バズすれば一躍脚光を浴び、富と名声を手にするだろう、と思っている。尾崎には死蛇(ですじゃ)というアカウント開設当初からの相互フォロワーがいる。ネタツイをしており、アカウント規模もほぼ尾崎と同じでライバルでもある。
ある日、死蛇の投稿が万バズを記録した。先を越されてしまった。自分が手に入れるはずだった富と名声が奪われてしまう。さっきは面白いと思ったが、よく見たら全然面白くない死蛇のツイート。絶対自分の方が面白い…と万バズすることを誓った。
1年間ネタツイを続けたが万バズはできない尾崎。一方死蛇は万バズを繰り返し、フォロワー数も1万人を超えるようになっていた。万バズできない自分自身に嫌気がさし、飽きた、くだらないと思ってしまった。
そこでこれまでの自分自身を思い出した。中学で始めたバスケも、高校で始めたギターも長くは続かなかった。「オレは飽き性」「もともと暇つぶし」「一生懸命やってなんになる」と言い訳を重ねて逃げていたこと。必死に努力しても報われないことが怖い、全力を尽くして負けてしまうことが怖い、そう思っていた真実に気が付いた。でも何よりも何ひとつ果たせず死んでいくことの方が怖い。もう逃げたくない、と思えた。
そこからくだらない自分を受け入れ、後先を考えず全身全霊でネタツイを発信した。気絶するまでツイートを続けた尾崎。彼の持て余すほどのネタツイへの想いは昇華されるのか。
ネタツイに対して過剰なほどの熱意を持ち、力をいれる尾崎のマインドに対して「このメンタルで生きていきたい」「何回見ても最高すぎる」と大反響。「続き全力待機」と続きを望む声も多く見られた。「過去の自分すぎる」「これ俺?」と自分自身と重ね合わせる読者も。おなじSNS上からは「はやくこれになりたい」と羨む声も多数あった。「万バズできますように」と尾崎の万バスを願う読者もいた。
笑ってしまうほどのネタツイへの熱意を持つ主人公に大反響…作者・かめのまくらさんにインタビュー
――『本気でネタツイをする男の話』を創作したきっかけをお教えください。
熱血漫画を描きたくて、自分が1番感情移入して描けるテーマを考えたときに、ネタツイが思い浮かびました!
――かめのまくらさんはご自身の投稿(ツイート)がよく漫画内にも出てきますが、作品作りをする上で、日常生活で意識されていることはございますか。
日常生活で特別意識していることはないですが、面白い(と自分が思う)ことを思いついたときには忘れないようにすぐにメモするようにしています。
――ご自身の投稿(ツイート)の中でとくにお気に入りのものはございますか。
今回の漫画の最後に登場している「毒ドッグフード」のツイートがお気に入りです!バズるまで何度も繰り返しツイートしました!
――今回、『本気でネタツイをする男の話』を描く上で、キャラクター性やデザインなどこだわった点がございましたら、お教えください。
主人公はモラトリアム期間を浪費する冴えない大学生をイメージしています。自分の才能に対する根拠のない自信と、社会に出ることに対する恐怖の葛藤は実体験に基づく部分も多かったですが、共感してくれる方も多かったようで嬉しかったです!
――今後の展望や目標をお教えください。
現在の目標はフォロワー数10万人です!これからも漫画をたくさん描いていくつもりなのでよろしくお願いします!