「週刊プレイボーイ」とWEBサイト「週プレNEWS」で連載中の「キン肉マン」新シリーズをアニメ化した「キン肉マン 完璧超人始祖(パーフェクト・オリジン)編」(毎週日曜深夜11:30-0:00、TBS系ほか)。32年ぶり、1991年~1992年に放送されたテレビシリーズの続編で、新旧ファンの注目が集まる話題作だ。8月11日に放送された第5話「悪魔超人の誇り!!」では、ステカセキング(CV.柿原徹也)対ターボメン(CV.野島健児)、ミスターカーメン(CV.谷山紀章)対クラッシュマン(CV.富岡佑介)の2試合が決着。「キン肉マン」らしいフェイバリット・ホールドの応酬に大きな歓声が沸き上がった。(以降、ネタバレが含まれます)
早すぎる2人の退場に視聴者から無念の声
“あのお方”の命令でアイドル超人と完璧超人の戦いに参戦してきた悪魔超人軍。その中でまず決着が着いたのは、ステカセキングとターボメンの試合だった。
キン肉マンゼブラのマッスル・インフェルノ、マンモスマンのビッグ・タスク、ネプチューマンの喧嘩(クォーラル)ボンバーと、新・超人大全集による変身で強豪超人の必殺技を次々と繰り出すステカセキングは、トドメを刺すためウォーズマンに変身し、パロ・スペシャルでターボメンを追い詰める。しかし、完全に極まったパロ・スペシャルに誰もがこれで勝負は決まったと思ったとき、ターボメンの体が突然、熱を持ったように発光しはじめる。
じつはターボメンは相手の攻撃を受けた分だけ、そのパワーを体内に蓄えることができるという超人だった。テリーマン(CV.小野大輔)が勘づいた通り、これまでステカセキング優勢で進んでいると思われた試合は、ターボメンがパワーを蓄えるために技を受けていたにすぎなかったのだ。アースユニットでそのパワーを送り込まれたステカセキングはマッスルボディのごとくパワーアップするも、膨れ上がる巨大なパワーに耐えきれずに手足が自壊。もはや闘える状態ではなかったが、最後まで“悪魔”としての誇りを捨てず、ターボメンが強要する自決を拒否。完遂刺し(コンプリート・スティング)を受けて、砕け散ってしまうのだった。
続いて中継されたのは、東ドイツのリングで闘っているミスターカーメンとクラッシュマンの試合。こちらでは序盤、顔強の術やファラオ解骨術といった摩訶不思議なエジプト秘術でミスターカーメンがクラッシュマンを翻弄していたが、機械の体であるクラッシュマンにミイラパッケージが通じなかったことから一気に形成が逆転。ダメージを受けてしまったことも重なって、ファラオ解骨術での脱出に失敗。ミスターカーメンはクラッシュマンのアイアングローブをついに食らい、敗れ去ってしまう。
フェイバリッド・ホールドの応酬となった「キン肉マン」らしい展開だったが、これで悪魔超人軍は2連敗。2人の敗戦を残念がる視聴者も多く、SNSには「スピーディな展開はいいんだけど早すぎる退場が悲しい」「ステカセは頑張ったよ。心はイケメンだった」「ミスターカーメン、谷山紀章さんの誕生日なんだからもう少し活躍してほしかった」などのコメントが寄せられていた。
宮田俊哉のブラックホールが四次元殺法で反撃開始
ステカセキング、ミスターカーメンの連敗に観客の声援が沈む中、悪魔超人の意地を見せたのは中国・万里の長城のリングでダルメシマン(CV.檜山修之)と闘うブラックホール(CV. 宮田俊哉)だ。一時はダルメシマンの逆襲に遭うも、ドギーネイルキックを顔面の穴でキャッチすると得意の四次元殺法で反撃を開始。影を移動し、ダルメシマンを強烈なドラゴンスープレックスでマットに叩きつける。
「悪魔をなめるな、この犬野郎!」「所詮おまえは人に飼われてナンボの番犬。リードにつながれてりゃいいんだよ」という名言も相まって、視聴者からは「ブラックホールかっこいい!」「この台詞が聞きたかった!」などの歓声が飛ぶ。また、ブラックホールのキャストは宮田俊哉ということで、初めて「キン肉マン」を観る女性ファンも多くいたようだ。「プロの声優さんに混じっても違和感ないレベル」「宮田くん、めちゃハマってる」「宮田くんの低い声しびれる~!」などのほか、「宮田くんの声聴きたくてキン肉マン見たけど凄く面白い!」「お父さんと夢中になって見てるw」といった声も上がっていた。
今回、2人の一戦はここまでだったが、次回予告では頭部に激しい傷を負いながらも、四次元ホールを不気味に光らせるブラックホールの姿が映されていた。三度、完璧超人が勝利するのか。それとも悪魔超人が一矢報いるのか? 次回第6話「策略の四次元空間!!」は8月18日(日)に放送予定。
完璧超人相手に屈辱の連敗を喫した悪魔超人陣営としては、もはやこれ以上の失態は許されない。既に敗れ去った同胞たちの無念も背負ってそんな覚悟の闘いを見せるブラックホールの相手は、鋭い牙攻撃を主体に様々な犬の特技を超人技にまで昇華させた完璧超人“完牙”ダルメシマン。影に溶け込み姿を消した者の所在さえも嗅覚で察知する異能の難敵相手に、進化を遂げたブラックホール四次元レスリングの真なる恐怖が扉を開く!!
■文/鈴木康道