足利尊氏のカリスマ性を表現するサイケデリックな映像に驚がく
時行と玄蕃の時間稼ぎが功を奏し、領地を没収されずに済んだ諏訪家では宴が開かれる。玄蕃という心強い仲間を得て、弧次郎(CV:日野まり)は「あの技なら尊氏の寝室に忍び込んで、さくと暗殺できるのではないか」と期待をのぞかせるが、諏訪頼重(CV:中村悠一)はこれを否定。いかに尊氏が手強い存在であるかについて語り始める。
その頃、京では後醍醐天皇の皇子で、征夷大将軍に任命された護良親王(CV:鈴木崚汰)が尊氏を危険視し、命を狙っていた。そんな護良親王が目の前で下人を次々と殺害しても、尊氏本人は一切動じない。そして、「一対一でお話しすれば、誤解もとけるだろう」と護良親王に近づくや否や、その家臣たちの首を鮮やかに刎ねていく。その素早さといったら、本人たちも首を刎ねられたことに気づいていないレベルだろう。
人の首から血が噴き出す残酷な描写とは裏腹に、穏やかな笑顔を携えたままの尊氏。「貴様はこの世にいてはならない怪物だ!」と尊氏に切り掛かる護良親王だが、全く歯が立たず、気付けば昨日まで仲間だった者たちまでもが尊氏の魅力に吸い寄せられていく。
その圧倒的なカリスマ性なサイケデリックな映像で表現されたシーンについては、視聴者から「作画と演出がもはや芸術の域」「原作漫画を丁寧に解釈してて嬉しい...」「尊氏の不気味さが映像演出、構成、色、お芝居他全てフルに使って表現されててビックリし申した」と視聴者から驚きの声が上がった。
そんな緊迫感極まる空気を一変させたのが玄蕃。宴で泥酔した玄蕃は巫女のお尻を触った挙句、下半身を丸出しに。尊氏の恐ろしさを実感し、一瞬怯んだ時行だったが、玄蕃の奇行で我に変わり、「尊氏との差がどれだけあろうが、諦めません! 宝を集めて、何度でも突き詰めてやるだけです!」と頼重に宣言した。宝とは、頼重が時行に与えてくれた戦い方であり、仲間である。新たな宝物を手にした時行の活躍がますます楽しみだ。
◆文/苫とり子
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