ファンの人たちと遊べるような曲
――25周年のオリジナルシングル「CLAP CLAP」はクールなダンスポップスです。先ほど「自分で自分を作る」という話がありましたが、今回の楽曲制作はどう進められたのでしょうか?
まずデモからですが、いろいろなパターンのデモを作っていただいて、その中から選んだ曲です。歌詞は私が表現したい世界をお伝えして、それに近づけて書いていただいたものに、また私がワードの要望を出したりして固めていった感じです。アレンジ(編曲)にもコーラスを入れて、人数感のような厚みを出したいとか、かなり話し合いを重ねて作っています。
――選んだデモや歌詞で、どんなところが後藤さんの琴線に触れたのか教えてください。
曲中に「Ya ya ya ya」「No no no no」といったフレーズがあるんですが、今までの自分の曲を振り返っても、こういうテイストの曲ってなかったんですよね。ステージに立っているところでも考えて、私がここをこう歌ったらファンの方はこう動いてくれそうだな、とか。私とファンの関係性みたいなことを取り入れられたら楽しいだろうと考えて、そうした総合的なイメージからこの曲と歌詞がいいなと思いました。
私、ライブ中にファンの1人1人の顔を結構よく見ているんですよ。なので、一つ一つのフレーズでファンの顔を見ながら、パフォーマンスでファンの人たちと遊べるような曲を作ってみたかったんですよね。ライブでは、ファンの皆さんは私を見てくれているわけで、例えばAメロの歌詞ですが、その人たちを「私に夢中ね?」とちょっと意地悪な視線で煽りながら、でも次には「あの子のがいいの?」という態度を見せる。そういうツンデレ感のある歌詞も面白いと思ったポイントです。
「25周年の始まり」も込めたMV
――妖しい雰囲気なミュージックビデオ(MV)も印象的です。水槽や病院のオペ室があるあのシチュエーションは、曲とどういうリンクがあるのか、少し不思議です。
MVにはこの曲だけではなくて、25周年の始まりとしての意味も込めています。これからいろいろな企画を発表していきますが、まずはこの「CLAP CLAP」が始まりの曲。これがアルバムリード曲「prayer」のMV、そのあとにもつながっていく音楽とビジュアルのストーリー仕立てになっています。
「prayer」は“祈り”という意味ですが、25周年分の走馬灯のようでいて、またここから新しく始まるという気持ちで作っています。一つ一つのシーンに意味があるので、考察して楽しんでみてもほしいです。
――9月16日(月)からは25周年ツアー「後藤真希 25th anniversary live tour 2024 ~pr∀yer~」が始まります。こちらはどのようなことを考えていますか?
「CLAP CLAP」とアルバムの新曲は全て入れつつ、ここ最近のライブでは歌っていなかった曲を組み込んでいくつもりです。なので、頻繁に足を運んでくれている方にとってもガラッと違うライブを楽しんでいただけると思います。ライブのビジュアルも「愛のバカやろう」を思い出すような雰囲気にしていて、そういうところもひっくるめてつながっている25周年です。