コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『身寄りのない女の子を拾って幸せにする話』を紹介する。作者のえんどさんが、8月2日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、2.3万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、えんどさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
森の中を1人で歩いていたのは…
ある夜、飲み過ぎた友人を連れて帰っていた明野家のお父さんは、森の中を裸足で1人歩く女の子、遊を見つける。お父さんは、遊のことを放っておくわけにもいかず、お母さんにも了承を得て家に連れて帰ることに。
そして、家に着くとお父さんは息子の恒星を呼んだ。お父さんが昔から動物を拾ってきて世話をするような人物だと知っていたが、さすがに人間は初めて。
恒星は、話を聞いた時は「そんなこと軽々しくやっていいのか」と思ったが、実際に遊に会うと「色々心配になる子だな」という印象を受けていた。
遊は恒星のお母さんと一緒にお風呂から上がると、恒星が用意したおかゆをたべることに。お茶碗をぐいっと持ち上げて、おかゆを頬張ろうとする遊。恒星は、「あっため直したから!絶対やけどするから!!」と慌ててスプーンを差し出す。
お母さんが遊に向かって「ふーふーするといいよ」と言って見本を見せる。遊は真似をして、ふーふーして冷ましたおかゆを口に運ぶと…。
この漫画を読んだ人たちからは、「幸せを築いてほしい」「元気に育てよぉ~」「何も喋ってないけどまじ可愛い」「良い人に拾われて良かった…」など、多くのコメントが寄せられている。
身寄りのない女の子を優しく迎え入れる家族の物語
――『身寄りのない女の子を拾って幸せにする話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
初めてこの女の子を描いたのは拾われてすぐの一枚絵でした。どのように拾われたかも頭の中にあったので、それを漫画の形に起こして、「こういうことがありましたよ」と自分の創作垢を見てくださる方々にお伝えしたくて描いた覚えがあります。
――本作では、おかゆを美味しそうに食べる遊の表情が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
おかゆを食べるシーンもそうですが、やわらかいお布団に初めて包まれたシーンも印象的に描けたと思うので注目して頂きたい所です。衣食住でこんなに喜ばれると、嬉しくもありますが、今までの状況を想像すると…。とちょっとモヤっと出来るのがこの作品の苦味走った魅力ではないかなと思っています。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
ラスト、母親に「あの子に優しくしてあげようね」と言われた主人公の「言われなくても…そうするつもりだったよ」が男らしくて気に入ってます。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
ゼロイチベースだったらX(旧Twitter)で何がウケるジャンルなのか見て、その中で自分の描きたいものを見つけて描いてました。『身寄りのない女の子の話』は根本的に何が一番描きたかったというと「ご飯をおいしそうに食べる女の子って最高だよね!」という部分だったので。イチがあればそこから勝手に膨らんでいくのですが、とにかくゼロをイチにする作業が大変ですね…。
――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
表情はこだわってる方だと思います。感情表現はもちろんですが、何か言われた時のリアクションや、今キャラクターが何を考えているのか、目線の持っていき方などなるべく絵で伝えられるように頑張ってます。
――今後の展望や目標をお教えください。
『身寄りのない女の子を拾って幸せにする話』の続きは発売中の単行本で完結まで読めるのでよろしくお願いします!自身の目標としましては、趣味の漫画だけで食べられてる現状ですが、今でも時折触れさせて頂く商業漫画にも鍛えさせられており、縁あってお話を頂く機会もありますので、そちらの世界でも貢献出来たらと思います。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも好き勝手に描いてごめんなさい。それでも楽しんでくれる皆様に大感謝!!!!!