伊藤沙莉が主演を務める連続テレビ小説「虎に翼」(毎週月～土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月～金曜の振り返り)が現在放送中だ。同作は、日本で初めての女性弁護士の一人で後に裁判官となった三淵嘉子をモデルにしたオリジナルストーリー。昭和の初め、女性に法律を教える日本で唯一の学校へ入学し法曹の世界に進んだ、伊藤演じる主人公・佐田(猪爪)寅子。出会った仲間たちと切磋琢磨しながら困難な時代に立ち向かい、道なき道を切り開く姿を描く。
「虎に翼」の物語もいよいよ終盤に突入し、新潟編を終え舞台は再び東京へ。WEBザテレビジョンでは、寅子の明律大学女子部からの同期であり、その存在感で一躍注目を浴びた山田よねを演じる土居志央梨にインタビューを実施。よねと向き合った日々のこと、「虎に翼」への思いを語ってもらった。
果たして自分にできるんだろうかと不安もありました
——まず、「虎に翼」山田よね役のオファーが来た際のお気持ちや周囲の反応などお聞かせください。
出演が決まった時は、主人公を(伊藤)沙莉ちゃんが演じるということが発表された後でした。ニュースを見て、“絶対に見よう”と決めていたドラマだったので、“まさか”という感じで、信じられない期間が長かったですね。台本をもらうまでは本当なのかな、と思うくらいびっくりしていました。私自身とてもうれしかったですし、家族も本当に喜んでくれて。今回猪爪直道役で(同じ大学で同期だった)上川周作と共演することになったので大学の仲間がすごく喜んでくれましたね。
――男装姿、そして人を寄せ付けないような雰囲気を持つよね役でのオファーでした。どのようなお気持ちでしたか？
まだ台本がくる前から、よねが男装姿の女性だということだけは聞いていて、一体どういう人なんだろうとすごく興味が湧きました。今までフェミニンな役を演じる機会が多かったので、果たして自分にできるんだろうかという不安はありました。
――不安を打ち消すような役作りなど、なにかされましたか？
まず台本を読んで、よねという人がすごく魅力的だと思えたんです。つらい過去があって、頑張ってそれを乗り越えようとしている人だということが分かって。彼女のことが理解できましたし、魅力的な人だなと思えたので、そこからはよねとの距離がぐっと縮まりました。吉田さん(脚本の吉田恵里香氏)が書かれる台本の力と、あとは髪を切ったことも大きかったかなと思います。
よねとの共通点はほとんどありません(笑)
――男装姿、ご自身ではいかがでしたか？
最初の衣装合わせの時はまだ髪を切っていなくて、かつらで合わせたんです。ショートヘアのかつらとスーツ姿で衣装合わせをしたんですけど、その時のかつらがあまりにも似合っていなくて(笑)、これ私大丈夫かな、1年間やっていけるかなと思ったんですけど、実際に髪を切ってからは自分でもすごくしっくりきましたし、今ではスーツ姿の自分の方が見慣れているくらいになりました。周囲からもかっこいい、似合ってると言ってもらえるので自信になりますね。
――よねを演じるにあたり、声の出し方や、佇まいなどの役作りはされましたか？
意志の宿った声、力強い声がよねに似合うなと思っていました。家で一人で喋りながら探ったり。スーツを着た時にポケットに手を入れることも、よねはずっとそうやって生きている人なので、取って付けたように見えないように、慣れ親しんだしぐさに見えるようにと意識しました。
――普段の土居さんはとても柔らかい印象をお受けします。よねとご自身の似ているところと、違うところを教えてください。
よねと似ているところは、周りの人をよく観察するところかなと思います。よねは人のことをよく見ているなって感じるんですが、そういうところは私にもあるかなと。似ていないところは…それ以外は大体似ていないですね(笑)。
