コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、心温まる愛情たっぷりのコミックエッセイ『ドベとノラ』より、『ドベとノラ 犬が結んだご縁』の「保護犬茶々のお話」をピックアップ。
この物語は、作者のヨシモフ郎さんが実際に関係者の話を基にフィクションとして描いたもの。一連の話を聞いた本人やご家族、親戚、前回の被害者の知人、通報者、近所の方々、そして犬に関する情報を総合し、物語に仕上げている。
作者のヨシモフ郎さんが7月28日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、いいね数9,300以上の「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、ヨシモフ郎さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
散歩に不慣れなアオくんと飼い主の不運な出来事
本編は、長男のドーベルマン「ドベ」と、次男で元野良犬の「ノラ」、そして作者ヨシモフ郎さんとの日常を温かく描いたコミックエッセイ。
狭い6畳の部屋で、ゲームや映画、仕事に囲まれていた作者が、ドベとの出会いをきっかけに外の世界に目を向け、犬たちが教えてくれた優しい世界を、愛情を込めて綴っている。
今回の番外編の物語の中心は、ゴールデンレトリーバーの“アオくん”と飼い主である女性。その女性はゴールデンレトリーバー2匹と仲良く暮らしていた。
ある日、ペットショップで小さなケージに無理やり詰め込まれたゴールデンレトリーバーを見つけ、放っておけずに3匹目としてアオくんを飼い始めたのだった。アオくんは力が強く、散歩慣れしていなかったため、他の2匹とは別に散歩に行っていた。
ようやく散歩に慣れてきたある日、不運な出来事が起こってしまう。
アオくんは近くを歩く高齢の女性に向かって突進する。飼い主の女性がリードを手放さなかったため、接触こそ避けられたものの、驚いた高齢女性は転倒し、骨折という大怪我を負ってしまうーー。
物語を読んだ人たちからは「大型犬経験者でも躾まだの3頭は難しいんじゃ」「生後数ヵ月の子犬でもパワーがある」「不運が重なってしまったのですね」「この先の展開を想像するともう胸が痛い」など、反響の声が寄せられている。
咬傷事故を描いた背景
――『ドベとノラ』を創作したきっかけや理由があれば教えてください。
コロナ禍で暇を持て余したので絵を描き始めた時に「どうせ描くなら一番好きな物を描こう!」と思い愛犬達の絵を描きました。
同時期にガラケーからスマホに変わったのでSNSに投稿も始めてみました。最初は模写のイラストを描いていましたが、漫画も少しずつ描きはじめました。どうせならたまたまふらっと見つけて読んでくれた人がほっこり出来るようなお話がいいな、と思いながら今も描いてます。
――キャラクターはどのように生み出されたのか教えてください。
実在する犬や猫、人物なのでキャラクターを生み出したという感覚はありません。みんな可愛いな〜と思って描いているので、その可愛さが伝わっていると嬉しいです。
――作画の際にこだわっている点や「ここを見てほしい」というポイントがあれば、理由と共にお教えください。
こだわりは毛並みです。単純な線ですが、ツヤッとかふわ、もふ、さらっ、などなど少しでも「手触り」が感じられるように頑張ってます。まだまだ研究中です。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
SNSで漫画が100投稿になるごとに「この世界は」というお話を描かせてもらっています。まだ3話しかありませんが「ドベとノラ」の核になるお話です。
――『ゴールデン×3番外編』の出来事を描かれる際、どのような感情やメッセージを読者にお伝えになりたいとお考えか教えてください。
『ゴールデン×3番外編』はその内容から描くかどうかを長い間悩んでいたお話になります。
環境省の資料では今も犬による咬傷事故は年間4,000件を超えています。
統計資料でこの件数なので実際犬に噛まれた人はもっと多いのではないかと思っています。
計算上でも1日10件以上、10人以上の人が犬に噛まれていると考えると他人事ではないと感じています。
そしてきちんとしつけをしているつもりでも、うちの子が明日、何事かが起きて他人を噛む可能性はゼロではありません。
被害者側はもちろんとして、加害者側になる事も【明日は我が身】と考えています。
その時どうするのか、その時のために何か準備できることはないか、など自分自身でも考えながら描かせてもらっています。
読んでくれた方も同じように「考える機会」になったらと願っています。
――物語を展開していくうえでこだわっている点や特に意識している点を教えてください。
絵日記のようなものなので特にありません。最後にみんなが笑顔ならいいなと思ってます。
――今後の展望や目標がありましたらお聞かせください。
描きたい話がまだたくさんありますので、少しずつ描いていきたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつも漫画を読んでいただき、いいねやコメントありがとうございます。これからも楽しんでいただければ幸いです。