座長・眞島秀和は「お芝居の引き出しが多い方」
――本作の主演に眞島さんをオファーした理由を教えてください。
本作はメインとなる冴えない男性4人のお話であり、特に南条オサムという人物が中心的存在になってきます。オサムは主役でもありますので、演技力といった部分を求めるのは当たり前なのですが、それに加えて本作はコメディーなので、いかに“真面目にふざけてもらえるか”がポイントだと思っていました。
表現が正しいのか分からないのですが、ある種カメレオンじゃないですけれど、「怒る」とか「笑う」と台本のト書きにあっても、いろんな種類があると思うのですが、眞島さんはその引き出しがたくさんある印象でした。「ROOM」のような作品って絶対に合うし、我々が10想像していたら、15とか20にしてくださるような素晴らしい俳優だと思い、オファーをさせていただきました。
――かっこいいのはもちろんですが、個人的にはドラマストリーム『パパとムスメの7日間』(2022年、TBS系)で見せたキュートな表情も印象的でした。
ご本人は現在47歳なのですが、お芝居の引き出しとしては“少年感”もあったり、逆にもっと年齢が上に見える重厚感のある表情もあったり…本当にお芝居の幅が広い方ですよね。
きっと綿密に計算をされているんだと思うのですが、二枚目でありながら三枚目もいけちゃうところに魅力を感じていたので、主演を眞島さんに受けていただけて本当に良かったなと思います。
――続いて、高校時代の恩師と狂言誘拐をもくろむ仁を演じる森さんの印象はいかがですか。
最初は、いい意味で「どこにでもいるような、かわいさのあるお兄ちゃん」という印象でした。でも、実際に現場で画面越しに見たときに“映える”んですよね…これは守下監督も仰っていました。
森さんを目の前にしたときの印象以上に、画面越しで見たときにご本人からにじみ出てくる空気感とか、お芝居から伝わるものには魅かれるものがありました。
森さんってすごく研究熱心な方で、若手3人の中ではキャリアや経験の差もあると思うのですが、お芝居をしてカメラが止まった後も積極的に自分から提案をしていて。
年齢も若いですし、きっと言いにくい部分もあったはずなのですが「ここってもっとこうした方がいいですか?」と、監督や眞島さんと話をされていました。そんな森さんの行動が、周りにも良い影響を与えてくれていたんじゃないかなと思います。