高橋文哉が、9月4日に都内で行われた映画「あの人が消えた」の完成披露上映会に、共演者の北香那、坂井真紀、袴田吉彦、染谷将太、田中圭、監督の水野格と共に登壇した。
高橋「僕が演じる丸子だからこそ出るものをちゃんと作っていきたい」
本作は、人気ドラマ「ブラッシュアップライフ」のクリエイター・水野格による、完全オリジナル脚本のミステリー・エンターテインメント作品。とあるマンションを舞台に、怪しげな住人の秘密を知ってしまった配達員が思いもよらない事件に巻き込まれていく...。
主人公の配達員・丸子を演じる高橋は撮影が始まった頃のことを振り返り、「ドキドキしてましたね。素敵なキャストの皆さんとスタッフの皆さんの中で、真ん中に立たせていただくというのは今でも気が引けますけど、僕が演じる丸子だからこそ出るものをちゃんと作っていきたいなと思っていました。僕が演じる丸子を軸に物語が進んでいくので、いろんな人からエネルギーをもらっていました」と共演者とスタッフに感謝の気持ちを伝えた。
丸子の職場の先輩・荒川を演じた田中については「安心感がありました。圭さんの主演作で共演させてもらえて、今回は僕の主演作で共演させていただけるとは思ってもみなかったので」と共演できた嬉しさを伝えると、この作品に関して田中は、高橋が主演だと聞いてすぐに出演を決めたと明かした。
田中は「ほぼ4年前、(前回)共演した時もすごくかわいらしくて、すごく慣れない現場、慣れないお芝居だけどひたむきに頑張っていたんです。その後、他の作品でどんどんキャリアを積んでいくのを見ていたし」と、役者として成長していく高橋の姿を見ていたという。
しかし、一番の決め手は「2年くらい前かな? あるパーソナルトレーナーがいるジムがあるんですけど、そこに文哉がいたんです。まだ若いから『ダメダメ、早い早い』って怒ったんです。そしたら文哉が『圭さんみたいな体になりたくて通ってるんですよ』っていうから、それで俺もうズキュン!って。それがすごくかわいくて、その時からヒイキにしてました(笑)」と、高橋とのほっこりエピソードを披露した。
フリップを使ったネタバレギリギリのトークも展開
何を話してもネタバレになってしまう作品というのを逆手にとって、「ここを見逃さないで」という見どころをフリップに書いたキーワードを元にネタバレギリギリのトークを行うことに。
染谷は「沈黙の10秒」と書き、「とあるシーンで沈黙の10秒が訪れるんです。こんなに映画で沈黙を見たことがないです。そこから10秒たつと」と理由を話し始めるが、そこでプロデューサーからストップを知らせるブザーが鳴った。そこがネタバレギリギリだったようだ。
袴田は「事故物件」と書き、「だから、マンションが事故物件なんです」と話すが、田中から「薄くない?」とツッコミが入った。「マンションで人が消えていってさぁ、怖いなぁって」と続けるが、またまた「薄くない?」というツッコミが。すると、袴田は本編をまだ見ていないことが判明。「これ、この後、見てくからさぁ。それでいいでしょ?」と弁明していた。
坂井は「発音」と書き、「セリフのある人の発音を、ある人とある人が...。とにかく発音に注目していてください」と、意味深な説明をした。これはプロデューサー的にOKだったようだが、田中が補足説明しようとした瞬間にNGブザーが鳴った。田中が「なんで俺でブブーなんだよ!」と反論するが、高橋が「圭さんがしゃべった瞬間だったから圭さん(自身)がネタバレかも」とツッコミ、場を和ませた。
「ネコ」と書いた北は、「猫をちゃんと見ててください。かわいいなとかじゃなく」と、これも本編を見ないとわからないキーワードかもしれない。田中が書いたのは「エンドロール」。「席を立てません。エンドロールを含めて一つの作品になっているので、最後まで楽しみにしていてほしい」と答えつつ、「みんなかっこいいエンドロールになってるのに、俺だけイジられてるんです」とクレームを入れるとプロデューサーがNGブザーを鳴らした。
そして高橋は「ハリウッド!」。そのキーワードに共演者はピンと来ていない様子で、高橋が監督に助けを求めるが、「何を指してるの?」と返されてしまう。高橋が説明すると共演者たちも「あぁ!」と分かったようで納得していた。
最後は、高橋の「撮影から時間もたってますけど、水野さんをはじめ、スタッフの皆さんとキャストの皆さんで、現場で一生懸命スクリーンの前にいる人が楽しむためにはどうすればいいのかを考えて、作品づくりを必死に頑張っていたなというのが僕も救われました。その作品を今日見てもらえるということでワクワクドキドキもあるんですが、本当に素直に楽しんでいただければ。先読み不可能って言われてますけど、好きなだけ先読みしてください。絶対に先読みできないんで。それくらい自信をもってお届けできる映画ができたと思ってますので、ぜひ楽しんでください」というメッセージで舞台あいさつを締めくくった。
◆取材・文=田中隆信