長らくテレビを見ていなかったライター・城戸さんが、TVerで見た番組を独特な視点で語る連載です。今回は『かまいガチ』(テレビ朝日)をチョイス。
酒そんな好きじゃない話『かまいガチ』
最近あまりにお金が無く、居酒屋に行くことをなるべく避けているのだが、それがまったく苦じゃないわけで、なるほど私は居酒屋というものに大した思い入れが無いのだと気付いてからは、アルコールそのものにも少々懐疑的な目を向けている。たぶん酒というものが好きじゃないし、身体も少々嫌がっているように思える。味が美味しいとは決して思わないし……。酔っぱらうと楽しいけども、私の酔っぱらい方というのは、15分だけ楽しいピークがあって、あとは身体が「はやく家に帰って寝たいです」と叫び始めるのを待つのみ。15分前は酔っぱらってたけど今は素面ですなんてことがザラだ。消えたアルコールはどこに行っているのか？すべて小便になっているのだろう。アルコール高速小便化だ。当たり前のことなのだが、私は高速小便化にて、一度ですべて排出されるからすぐに酔いが覚めるのだ。そういえばドラゴンボールに兎人参化(とにんじんか)というキャラクターがいるが、子供心に凄いネーミングだと感心したものであった。
さて、酔っぱらっているんじゃないかと思われそうなほど関係のない話をしたが、今回鑑賞した番組は『かまいガチ』。かまいたちのふたりによる王道バラエティで、今回のテーマは居酒屋。酒好きである納言・薄幸、相席スタート山添、ハナコ岡部をゲストに、中目黒と恵比寿にて”居酒屋クイズ”に挑戦する。とにかく多くの居酒屋に訪れた酒飲みの猛者たちが、その経験値から驚異的な推理力を披露するのは見ものであり、特に、店の外観から、どのような内観になっているかを3枚の写真から当てるクイズ、あれは私もやりたい。もし今度居酒屋に行ったら、4人いけるかどうかの確認がてら先に店に入ってもらい、店内の写真を撮ってもらって、入れ違いだった客の卓を店員が片付けている間にやることにしよう。
ところで皆さんは、居酒屋で何を注文するだろうか。もちろん状況によって違うだろうが、華金にて、比較的低価格な大衆居酒屋としよう。私はひとまずポテトフライとか頼んで、あとポテサラと、揚げ物をたくさん、そして最後に「多めに出すから」と言ってもつ煮を頼んでひとりで食うのが鉄板だが、そういうときに冷やしトマトを注文する輩がいる。そいつは枝豆を注文し、冷奴を注文して、「小銭なかったからこれでいいや」と一人3500円の割り勘に4000円を出したりする。私は恐ろしくなるのである。大人すぎるというか、私は”やってる”んじゃないかと思っているのだが……だって居酒屋に入ってまず冷えたトマトを食べたくなるというのは、それは……変でしょ、変……だって……酒に合わないでしょトマトなんか……切れ味の悪い偏見を繰り出したところで今日の格言。ウーロンハイよりウーロン茶のほうが美味く、コークハイよりコーラのほうが美味い。あざした！
■文／城戸
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