「そなたの物語、面白さがわからぬ」
第33回でまひろが道長に「中宮様のお心の中には、表に出てこないお言葉がたくさん潜んでおるのやもしれませぬ」と語った通り、決して“うつけ”なのではなく心のうちにある思いを表に出すすべを知らなかった彰子。そんな彼女の固く閉ざされていた心の扉が、まひろの登場で少しずつ開き始めた。
口数が極端に少ない彰子にひっそり訪れた“目覚め”を、見上が実に繊細に表現している。
まひろの局を訪れ、ためらいがちに「そなたの物語だが…面白さがわからぬ」「帝は、そなたの物語のどこに惹かれておいでなのであろう」と尋ねた時の、切実な表情。宴で父や公卿たちが光る君についていきいきと楽しげに語り合う姿を見て、大きな目をさらに大きく見開く様子。そしてその後、まひろに「帝のお顔をしっかりご覧になって、お話なされたらよろしいと存じます」と背中を押されたときに見せた、もの思いにふけるような仕草。
そんな寡黙なキャラクターと、幼い敦康親王(渡邉櫂)にだけ見せる屈託ない華やかな笑顔とのギャップも実に魅力的だ。打って変わって主演ドラマ「恋愛バトルロワイヤル」(Netflix)では、貧乏な暮らしの中でもたくましく人生を切り開いていく主人公をパワフルに演じている見上。「光る君へ」での、感情を表に出すすべを知らない彰子というキャラクターの成長を、表情豊かに体現している。
まひろとの出会いをきっかけに少しずつ表情を見せ始めた中宮彰子に、視聴者からも注目が集まった。放送後は「少しずつ心を開いていく彰子エモい」「彰子さまの笑顔がかわいい」「彰子さまの成長ぶりに萌えっぱなし」といった声が上がり、演じる見上にも「彰子さまの魅力がじわじわと伝わってくる良い演技！」「見上愛さん、演技うまいなぁ！」の声が続々。X(旧Twitter)で「光る君に」関連ワードが多数トレンド入りしたほか、Yahoo！検索ランキングでは「彰子さま」がトレンド3位に浮上した。
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