コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、三稜 釜次郎さんが描く『俺の彼女の｢オモテ｣と｢ウラ｣』をピックアップ。
三稜 釜次郎さんが2024年8月22日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、2万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、三稜 釜次郎さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
真面目で美人な彼女の｢オモテ｣の顔と｢ウラ｣の顔
主人公の彼女である萩原さんは、表と裏の顔がある。表では周りからまじめで清楚なイメージがあり、読んでいる本は文学作品、鍵屋にいれば「あんな真面目な子ですら鍵紛失ってあるんだなぁ」などと思われている。
しかし、彼氏である照くんの前では一転、周りが抱いているイメージとは180度違う顔を見せるのだった。ある時は合鍵を勝手に作り、ある時は照くんが猫好きと知って、猫のコスプレをしたりする。
電話をしている姿などは、美人の萩原さんが実はモデルなのではないか、という妄想まで周りに抱かせてしまうが、実際は彼氏である照くんにかけている。そして電話に出てくれない照くんに、なぜ電話にでてくれないのかと泣きながら問い詰めていたのだった。
表の姿は清楚な女子、裏の姿は彼氏にぞっこんなヤンデレ彼女の様子を描いたこの作品を読んだ読者からは、「なんだかんだ愛してるの好き」「丁度いい愛の重さ具合がクセになる」など、反響の声が多く寄せられている。
作者・三稜 釜次郎さん「主人公のモデルは作家の室生犀星で、ヒロインのモデルは作家の萩原朔太郎」
――『俺の彼女の「オモテ」と「ウラ」』は、どのようにして生まれた作品ですか？きっかけや理由などをお教えください。
これはどの作品にも共通していることですが、「好き」を形にして届けるために生まれています。
例えばこの作品であれば、主人公のモデルは作家の室生犀星で、ヒロインのモデルは作家の萩原朔太郎なのですが、(もちろん、創作、フィクションの域を出るものではありません)この二人は私のイチオシ文豪であり「好きなもの」です。
性格や逸話、彼らの作品を適度に物語の中に織り込んでゆき、そして連載当時は、時々元ネタについて触れ、紹介するという形式でみなさまに布教しておりました。彼らの詩を紹介した日もあったと覚えています。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
「愛情」です。
いやいや描いていると、途中で辛くなると思います。
お仕事なら責任が伴いますので話は別ですが、あくまで趣味で無料で描いている物なので、愛を込められるテーマを選びました。それに、愛がある方が読者の方もなんとなく「ああ、作者はこの作品が大好きなんだな」と感じ取ってくださるかもしれませんし。創作キャラクターや物語は、生みの親である作者自身がまず愛してあげることが大事だと考えております。私はモデルのお二方はもちろんですが、そこから生まれた朔ちゃんも照くんも心から愛しています。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
やはりモデルの要素が強めに出ている回はどれも好きですね。
例えばこの28枚の中にないお話で、「くさつた蛤」Tシャツを朔ちゃんが着ている回がありますが、これは萩原朔太郎の詩から取っています。また、照くんの囁きASMRの回で照くんが囁いている「あんずよ花着け」は室生犀星の詩『小景異情』からだったりします。「ふるさとは遠きにありて思ふもの」が有名です。
28枚の中ですと、「裏」の顔はどれもこだわり抜いていて、泣き顔なんかは個人的にもかなり好きですね。ちょっとゾクゾクしませんか。
――「こんな彼女欲しい」「丁度いい愛の重さ具合がクセになる」など投稿には多くの反響がありました。こういった反響をどう感じておられますか？
作者冥利に尽きます。
どんなものでも、好意的なリアクションはものすごく嬉しいし元気になるのですが、クセになるとか言っていただけて嬉しくならないわけがないです！私の愛するヒロインをこんなに可愛がっていただけて、誇らしいです。この子達の親の気分ですね。
――三稜釜次郎さんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
現在はちょっと重たいテーマの漫画を描いています。『メンヘラ生徒会長』というもので俺の彼女シリーズ同様に、X、pixiv、kindleなどで無料公開しておりますが、ラブコメではないです。こちらを引き続き描き、完結したのちはひょっとしたらまたシリーズ作品を展開するかもしれません。全然何も決めていない状態です。
目標、そうですね、目指せフォロワー100万人！！でしょうか笑。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつもありがとうございます。たくさん見ていただけて本当に嬉しいです。元々描くことが好きだから活動をしているのですが、見てくださる方が大勢いることでさらに楽しく描くことができています。これからも何卒よろしくお願いします。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
