“バートン組”俳優たちと、盟友ジョニー・デップとの出会い
一つずつの作品の成功が数珠つなぎになっていく。「ビートルジュース」の成功は、アクション大作「バットマン」(1989年)へ。ティム・バートン風によりアメコミのヒーローであるバットマンと共に悪役のジョーカーも魅力的なものにし、2作目「バットマン リターンズ」(1992年)も製作された。また、実写だけでなく、ストップモーションアニメ映画もバートン作品に欠かせない。監督を務めてはいないが製作・原案を担当してアイデアを詰め込んだミュージカルアニメーション映画「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(1993年)に始まり、気弱な若者が死体の花嫁と結婚の誓いを立ててしまうダークかつロマンティックな「ティム・バートンのコープスブライド」(2005年)、そして2012年にはディズニー時代に製作した「フランケンウィニー」のリメイクもされ、バートン監督の地位は確立されていった。
そんなバートン監督の作品では、“バートン組”と言われる俳優たちが世界観を見事に表現。バートン風を体現できる実力、雰囲気を備えている俳優陣との縁をバートン監督は大切にしている。
例えば「ビートルジュース」のマイケル・キートンは、「バットマン」でもタイトルロールを任された。同じく「ビートルジュース」で死者たちが見える人間の少女を演じたウィノナ・ライダーは、監督の代表作の一つである「シザーハンズ」(1990年)でヒロインに。
そして「シザーハンズ」で両手がハサミの人造人間であるタイトルロールに抜てきされたジョニー・デップは、その後、盟友と言われる間柄になり、ミュージカルファンタジー「チャーリーとチョコレート工場」(2005年)、トニー賞を獲得したミュージカル舞台を原案にしたホラー「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」(2007年)、ヴァンパイアに扮(ふん)した「ダーク・シャドウ」(2012年)など、合計8作品でタッグを組んでいる。デップは、バートン監督との出会いで、“イケメン俳優”のイメージから脱しクセのある役もこなせる実力を見せつけたといえるかもしれない。
また、デップに次いでタッグ数が多いのは、「スウィーニー・トッド~」や「ティム・バートンのコープスブライド」の声優など計7作品に出演する、かつて私生活でもパートナーだったヘレナ・ボナム=カーターだ。
新作「ビートルジュース ビートルジュース」では、マイケル・キートンとウィノナ・ライダー、キャサリン・オハラが同じ役で再び顔をそろえるのも楽しみだ。同作は第81回ヴェネチア国際映画祭のオープニング上映を飾ったが、上映に先立って行われた記者会見でバートン監督は、モニカ・ベルッチ、ウィレム・デフォーらに新たなメンバーが参加したことで「さらに自分にとって特別な作品となりました」と語っている。そんな新しさもありつつ、監督にとって5年ぶりの長編映画の本作は、ほぼCGを使わず、監督の原点ともいえる特色と愛が詰まっているという。
最新作を前に、9月23日(月)から27日(金)まで連日夜11時台にムービープラスで放送される「『ビートルジュース ビートルジュース』公開記念!ティム・バートン監督特集」では、記念すべき「ビートルジュース」1作目と、長編デビュー作の「ピーウィーの大冒険」、ジョニー・デップとのタッグ作である「スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師」「ダーク・シャドウ」、ストップモーションアニメの「ティム・バートンのコープスブライド」の計5作がラインアップ。初期のものから、まさにバートン風を堪能することができる作品がそろっている。
◆文=ザテレビジョンシネマ部
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