まりかさんと野波さんの演技対決もぜひ見届けていただきたい
――ドラマの中で流れるBGMも恐怖をかき立てるような雰囲気がピッタリだなと思ったのですが、その辺りのこだわりを教えていただけますか?
あの不協和音みたいな曲ですよね。まさに最初の音楽打ち合わせのときに監督が「ゆがんだような世界観の曲を作ってほしい」と作曲家の岡出(莉菜)さんにオーダーしていましたね。“壊れたおもちゃ”のイメージみたいな。
主人公のみのりって、ちょっと夢見がちで幼稚な部分があるんですよ。それがゆがんでいくような様子を曲で表現してほしいっていうオーダーをしていました。すごくオーダーにピッタリで、耳に残るような曲を作っていただけたと思います。
――また、ドラマの最後に流れる配信の告知動画もすごく本編とのギャップがあって、“ゆるい感じが癒やされる”と話題になっていますが、その辺りはいかがですか?
これも、実はこんなに話題になるとは思っていなかったんですよ(笑)。別に“本編が暗いからここは明るくしよう”なんてことは全く思っていなくて。今は本当に配信時代なので、テレビドラマっていかに配信でも見てもらうかがすごく大事なんです。
だから、配信告知をなんとなくやるのではなくて、何か記憶に残るようにしたいよねっていう話から、「まりかさんがいろんなことにチャレンジしたら面白いんじゃないか」となって。なので、あまり深くは考えていなくて、印象に残る告知になればいいね、くらいの気持ちでした(笑)。
――そうだったんですね。けん玉やルービックキューブなどいろんなおもちゃに挑戦されていましたが、告知動画を撮る前に練習とかはされているんですか?
練習はしていないです。「練習しないでください」って言っているので(笑)。「できなかったらどうしよう」って言うので、「できなかったらそれでむしろ大丈夫です」ってお願いしてやっていますね。
――たしか知恵の輪を1回で成功されていましたよね。
そうなんです。まりかさんが渡していく知恵の輪を全部外していくので、びっくりしちゃって。知恵の輪の意外な才能を発揮していました(笑)。驚いたときのリアクションとかも全部素の表情なので、そこも含めて楽しんでいただければと思います。
――いよいよドラマも最終回です。第11話(9/23放送)では“渉が裕美に刺されてしまうのか!?”という衝撃的なシーンで終わりましたが、最終回に向けての見どころや注目してほしい部分を教えていただけますか?
まずは、みのりと渉の恋の行方がどうなるのかですよね。忍成修吾さん演じる琥太郎がみのりに好意を寄せていて、誰もが琥太郎を選んだほうが幸せになれると思うんですけど、それでもやっぱり渉くんを選ぶのかどうか…。
あとは、復讐とはいえみのり自身も誰かを傷つけたわけで、関係のない渉くんを巻き込み、離婚することによって幼い翼も傷つけた…。となると、復讐をしたみのりは許されるのか、ということに本人が悩んでいく。そこがドラマ全体の後半の大きなテーマとして描かれています。復讐をした人間は幸せになっていいのか、そしてその葛藤を乗り越えたうえで二人はどうなるのか、そこも見どころかなと思います。
――第11話では麻生さん演じるお義母さんも暴走していましたよね。あのままおとなしく黙っているわけないだろうなとは思っていましたが…。
そうですね。お義母さんの行く末も一つの見どころではあるし、最終回では全員のその後を描くつもりでいるので、勇大や理子はどうなるのか、その辺りも楽しみにしていただけたらと思います。
そして、最終回のメインの対決はやっぱりみのりVS理子になるので、そこの女の対決も楽しみにしていただけたらと思いますし、まりかさんと野波さんの演技対決もぜひ見届けていただきたいです。
実はこのシーンは台風が近づく屋上で撮ったんですけど、撮り切れなくて、クランクアップの日まで持ち越したんです。本当は1晩で撮りたかったのですが、無理だったので、2晩かけて撮りました。「女二人の対決が嵐を呼んだね」って言いながら(笑)。そんな苦労が詰まった二人のシーンも楽しみにしていただけたらと思います。