また、英語版公式サイトやポッドキャストでは、中世日本の歴史的背景などストーリーを理解するのに必要な情報がふんだんに提供されている。虎永と徳川家康など、登場人物とそのモデルとなった人物の違いも丁寧に説明され、興味があればさらに深く味わえるきめ細やかさ。FXの公式YouTubeチャンネルでは、制作現場に密着した上質なドキュメンタリーシリーズ「The Making Of Shogun」も公開されている。
「エミー賞」ドラマシリーズ部門で史上最多となる18冠を達成した「SHOGUN」だが、実はこれ以外に、短編部門のノンフィクション/リアリティーシリーズ賞ではこの「The Making Of Shogun」が受賞。作品そのものだけでなく、日本を正しく伝えたいという思いも世界に認められた。
第4~7話:世界を魅了した“クールジャパン”な女性陣
4話から7話にかけては按針や鞠子のいる伊豆・網代がストーリーの主な舞台となり、それぞれの立場で生きる女性たちにスポットが当たる。
4話では、按針の妻になることを命じられた武家の娘・藤(穂志もえか)の存在感が抜群。中でも、按針を守るため藤が城主に向けて銃を構えるシーンは海外を中心に大反響。日本女性のしなやかな美が、世界を魅了した。
6話では、伊豆一の遊女・菊(向里祐香)が按針と鞠子にもてなしをするシーンが強烈だ。なまめかしい菊の言葉を、鞠子がそのまま按針に通訳する。「あなたのその目で、欲しいものをご覧なさいまし。着物を脱いだ私、ありのままの私を…」。菊が作り出す艶やかな雰囲気にのまれ、鞠子の息遣いも荒くなる。3人が互いの体に触れることなく会話だけで作り出した、官能的なシーンだ。
そして7話では、最大のピンチを迎えた虎永が、茶屋の主人・吟(宮本裕子)の言葉で希望を取り戻すシーンが印象的に描かれた。生身で現実を生きる女性ならではの強さが現れたこのシーン。この後、虎永は一世一代の大勝負に出る。
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