コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、木川田ともみさんの漫画「七夕のお片付けと思いきや…」を紹介する。
本シリーズ「子猫の配達員うーにゃん」は、”アニメ制作スタジオななほし”の作品。代表・監督を務める佐藤こーだいさんが本シリーズのアニメを担当し、漫画は木川田ともみさんが担当している。
「子猫の配達員うーにゃん」は、生後間もないうーにゃんが弱っていたところをシルバに助けられたところから始まった。元気を取り戻したうーにゃんは、シルバとともに配達員の仕事をしている。本作はうーにゃんの成長や、配達先の動物たちとの物語を描いている。
こーだいさんが7月21日にX(旧Twitter)に本作「七夕のお片付けと思いきや…」を投稿したところ、2,000件を超える「いいね」が寄せられた。本記事では漫画担当の木川田さんとアニメ担当のこーだいさんに、作品のこだわりなどについてインタビューをおこなった。
うーにゃんが書いた短冊を見たシルバは…
七夕の日、うーにゃんが書いた「チョコレート」と書かれた短冊を見たシルバは、うーにゃんが配達に出かけているときに短冊が付いた竹を持ってどこかに出かけて行く。実はシルバはうーにゃんの願いを叶えるために、チョコレートやクッキーを購入して竹に飾っていたのだ。帰宅したうーにゃんは目をキラキラさせて喜び、当のシルバはどこか満足気な表情を浮かべていたのだった。
本作を投稿したX(旧Twitter)には「可愛い〜」「 叶っててよかったねー」「シルバさん相変わらず優しい」「うーにゃんのこの顔を見られるなら…可愛いお願い事、叶えてあげたくなっちゃう気持ちも分かる」などのコメントが寄せられている。
漫画担当・木川田ともみさんと代表・監督・アニメ担当の佐藤こーだいさんにインタビュー
――「子猫の配達員うーにゃん」シリーズを創作したきっかけや理由があればお教えください。
木川田:2020 年のコロナ禍で、見る人が元気が出たりホッとするような作品を作ろうと、無邪気な子猫の配達員『うーにゃん』のイラストや漫画をTwitter(現X)で描き始めました。その時期にフードデリバリーが増えだし、「子猫がリュックを背負って配達に来たらかわいいな」と思ったのがキャラクター作りの始まりです。
――「七夕のお片付けと思いきや…」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
木川田:うーにゃんは配達の話なのですが、テーマは「はじめてのおつかい」で、子供の成長を見守る街の大人の姿も描いています。 ポイントは親ではない赤の他人の大人が、実は子供を見守っているというところです。頑張っている子供は周りが見えないこともあるので、周りの大人はちょっとハラハラしながら気づかれないようにサポートするんですね。
うーにゃんはお兄さん的な存在の猫「シルバ」と暮らしているのですが、親ではなく同居人に近く、普段はうーにゃんを見守っています。 七夕のお話では、普段親からお菓子を買い与えられることがないうーにゃんに、シルバの遊び心でうーにゃんを驚かせて喜ばせたくなったのでしょう。うーにゃんは笹の葉にお菓子がついていたので、願いが叶ったと思っています。シルバにとっては直接感謝されるよりその方が居心地がいいみたいです。
――「子猫の配達員うーにゃん」の中で特に気に入っている作品があれば、理由と共にお教えください。
木川田:「ドーナツ」というお話です。うーにゃんがデリバリー先で創作活動に悩む絵描きのキャバリアさんと出会う話です。 いつもはうーにゃんが主体のお話が多いのですが、このお話はうーにゃんのことをデリバリー先のお客さんから見たらこうかな?と思いながら描きました。
この出会いをきっかけに、キャバリアさんは心がほぐれまた絵を描き始めるのですが、うーにゃんは一緒に配達のドーナツを食べただけなんです。 こんな感じで、一人で煮詰まっているとき、まったく関係のない場所とちょっとした出会いで心に余裕が生まれる事ってあると思います。 自分が子どもや家にいる猫に助けられている気持ちの反映もあるかもしれません。
――スタジオななほしさんでは「子猫の配達員うーにゃん」や「えんぎもん」をはじめ、たくさんのキャラクターや作品を多く描いていらっしゃいます。制作をする際のこだわりがあればお教えください。
こーだい:キャラクターの気持ちや感情に寄り添ってアニメーションを制作しています。人だけではなく動物やおもちゃのキャラクターが多いのも、ぱっと見てどういったキャラクターかわかりやすく、動きも特徴が出て面白いからです!一体のキャラの日常をずっと追うだけでも作品が作れるくらい、画面では見えていないところも作りこんで制作していきたいです。
――今後の展望や目標をお教えください。
こーだい:『子猫の配達員うーにゃん』はSNSでマンガやGIF動画の連載を続けつつ、アニメの続編も作り、できればシリーズ化したいな~と思っています。ふわふわのうーにゃんぬいぐるみも作り、カードゲームを作ったり、SNS を生かした面白い展開もして行ければと思います。また、イベントに積極的にも参加したいです!スタジオななほしとしては、ほかにも長編作品を計画中で、こちらはまだ世に出していないのですが、今年中には制作に入ろうとしてます。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
こーだい:いつも応援ありがとうございます!『子猫の配達員うーにゃん』は当初短編のアニメを完成させたところで一区切りの予定でしたが、ファンになってくれた方々の熱いメッセージで引き続き連載の形をとろうと決心しました。私たちにとってはそれが一番の力と支えなので、これからもうーにゃん達の物語を見守ってください!
また、FANBOX ではうーにゃんの漫画とイラストとアニメの最新のものと過去のもの、全て見られるようになってます。自主制作という体制でつくっている作品ですので、FANBOX でご支援いただくことでさらに作品を広げていくことができます。ファンの皆様と共に「子猫の配達員うーにゃん」を広げて行けると嬉しいです!
■プロフィール
木川田ともみ
佐藤と共にスタジオななほしを創設。漫画、イラスト、背景美術を担当する。『えんぎもん』『子猫の配達員うーにゃん』の漫画原作。NHK みんなのうた『風になれ』イラスト担当。『とむとじぇりーごっこ『ハコフグとみなまたの海』などで美術監督を務める。デジタル漫画『いつも、どこかで』が第十五回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に選出される。
■木川田ともみさんX(旧Twitter):木川田ともみ[@arincototento]
佐藤こーだい
スタジオななほし代表・アニメ監督。CG アニメーターとしてキャリアをスタートし 2017 年に『スタジオななほし』を設立。『えんぎもん』アヌシー映画祭で上映。『子猫の配達員うーにゃん』CG アニメコンテストで最優秀を受賞。インディーズのアニメ映画祭『HashtagAnimation Fes』を立ち上げ、ディレクターを務める。
■佐藤こーだいさんX(旧Twitter):ななほし/こーだい[@koudai_nanahosi]
■スタジオななほしFANBOX:https://studio-nanahoshi.fanbox.cc/