乱太郎、きり丸、しんべヱらしさが詰まった出会い
乱太郎、きり丸、しんべヱの出会いは、忍術学園の入学受付の日(乱太郎としんべヱは“入学テスト”の日だと思っていたが)。乱太郎が門の前で一人決意表明して力んでいるところへ、牛に乗ったしんべヱが後ろから突っ込んでくる。先祖代々ヒラ忍者の家系であり、一流忍者を目指している乱太郎と堺の大貿易商の息子であるマイペースなしんべヱらしさが詰まった出会いだった。
「入学金さえ払えばみんな合格」と言われ、入学テストがないことを知って拍子抜けした2人はいざ入学受付へ。両親からもらったなけなしのお金で入学金を支払う乱太郎と優雅に小切手を切るしんべヱ。そこへ大量の小銭を袋からぶちまける者がいた。それがきり丸だ。
受付で「小銭は困る」と言われると、「仕方ないでしょう、アルバイトして貯めたお金なんだから」と説明するきり丸。それに感心する乱太郎が何のアルバイトをしていたのかと尋ねると、きり丸は合戦場でお弁当を売り捌いていたと答える。
「これから俺たち3人、仲良くやろうぜ」
戦で村を焼かれて家族を失い、戦争孤児となったきり丸。だが、そんな悲しすぎる背景を一切感じさせない。手を差し出して「よろしく」と挨拶したきり丸は、乱太郎としんべヱに「これから俺たち3人、仲良くやろうぜ」とさらに歩み寄る。常に明るく飄々としているきり丸を端的に表現した初登場シーンだった。
ここから3人の忍術学園での日々が始まっていく。学園生活をはじめ、さまざまな出来事を通して、絆を深めていく乱太郎、きり丸、しんべヱ。3人がそれぞれ違った色だからこそ、お互いに補い合う関係性は実に素敵だ。時に笑い、時にホロッと涙が出る。そんな温かく優しい、そして笑える物語だからこそ、30年以上多くのファンから愛され続けるのも納得だ。
構成・文=戸塚安友奈
(C)尼子騒兵衛/NHK・NEP
12月20日(金)劇場公開
原作:「落第忍者乱太郎」尼子騒兵衛(朝日新聞出版刊)
テレビアニメシリーズ「忍たま乱太郎」
「小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師」
(原作・イラスト:尼子騒兵衛/小説:阪口和久/朝日新聞出版刊)
出演:高山みなみ 田中真弓 一龍斎貞友 関俊彦
大塚明夫 岡野浩介 間宮康弘 森久保祥太郎 代永翼
成田剣 保志総一朗 渋谷茂 神奈延年 置鮎龍太郎 鈴木千尋
小田敏充 金丸淳一 山崎たくみ 東龍一
スペシャルゲスト:大西流星 藤原丈一郎
監督:藤森雅也
脚本:阪口和久
音楽:馬飼野康二
主題歌:「ありがとう心から」なにわ男子
テーマ曲:「勇気100%」なにわ男子
キャラクターデザイン:新山恵美子
副監督:根岸宏樹
アクション作画監督:関根昌之
美術監督:川口正明(アトリエローク07)
撮影監督:林コージロー(グラフィニカ)
色彩設計:村田恵里子(グラフィニカ)
編集:坂本雅紀(森田編集室)
音響監督:大熊昭
音響効果:庄司雅弘
音響制作:AUDIO PLANNING U
アニメーション制作:亜細亜堂
配給:松竹
製作:劇場版忍たま乱太郎製作委員会
公式X:@nintama_eiga
(C)尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会
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