碧の視点では明るく希望に満ちていた高校生活が、尾関の視点で見るととたんに寂しく孤独になる。尾関が碧に思いを寄せていたことが明かされると、視聴者からも「一気に尾関の背景を知って衝撃」「初めから“5人と透明なもう1人”だったんだ」「碧をずっと見ている尾関が切ない…」の声が上がった。
誰も、自分を見ていない――。尾関のやるせない気持ちがにじむシーンが5話、喜多野の回想として登場する。ダンス部の発表のあと、尾関が口にした「喜多野はやっぱすげぇな。みんなお前を見とった」という一言だ。その10年後、渋谷スクランブル交差点でその言葉を思い出す喜多野の頭上では尾関の起訴のニュースが流れ、 誰もが尾関の顔写真を見上げている。皮肉な形で「見える存在」になった尾関は、どんな気持ちで碧に「お前には、俺が見えるか」と言ったのだろう。
「私以外、みんな幸せに見える」自分を苦しめる呪縛
一方、同級生の喜多野、高木、桜井梨沙(武田玲奈)、齋藤風花(小野花梨)にも変化が訪れる。20代半ばになり、思い描いた未来に手が届かず“居場所のなさ”を感じる彼らの過去と現在がリンクし、小さな突破口を開ける。
印象的なのが、1話での高木のバースデーイベントと、5話での碧と風花の対話シーン。イベントでは碧が「充実しとるよ。やりたいこと、できてるし」と笑顔を見せ、風花も夫婦で作っている伝統工芸品を「都内の高級ホテルでも使われとるんよ」と誇らしげだ。
だが実際には、碧も風花も思い描いたものと違う日常にため息ばかりの日々を送っているのだ。5話では「仕事辞めて、戻ってこようかな」「書きたくない記事書いて、これが幸せなん?」と投げやりな碧に、風花も重大な秘密を明かし「私以外、みんな幸せに見える」と本音を包み隠さず打ち明ける。“見せたい面”を見せようと必死だった2人は事件後、限界まで追い込まれたことで醜い面をさらけ出す。そして、そこから2人は自分の黒い部分も受け入れ、自分自身を許す明日に向かっていく。
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