高校時代と10年後の祭りのシーンでは、ぼんやりエフェクトがかったような高校時代に比べ、尾関を待つと決めた5人がもう一度訪れる祭りは映像もはっきりとしていて、それぞれがしっかりと現実を歩み出したことが伺える。大人になった5人が自信に満ちた表情で花火を見上げる姿も印象的だ。そして碧はあの頃と同じように、花火に手を伸ばす。何かをつかみ取ろうとするかのように。
どんな自分も受け入れて、唯一無二になっていく
どす黒い部分も含め、どんな自分もありのままに受け入れる。そして、大切な誰かにも同じように白い面と黒い面があると知り、想像力を働かせ、ありのままを受け入れようと努力する。そうすることでまだ何者でもない“透明なわたしたち”はそれぞれの色を持ち、誰の目からもはっきり見える唯一無二の存在になっていく。
渋谷の事件とその前後に起こった問題をきっかけに“見せたい自分”を捨て、ありのままの自分を受け入れようと一歩踏み出した碧たち。そんな本作に、視聴者からは「高校時代の青春と、どうしようもないことだらけの社会でもがく現在の対比がめちゃくちゃ刺さった」「世界が輝いて見えた、その感覚私にもあった。これは私の物語だ」と共感の声が続々と上がっている。
尾関が事件を起こした理由を知り、仲間たちの決断も目の当たりにした碧は、“今の自分にできること”に全力で向き合う。碧にとってそれは“書くこと”。 さらに、高校を中退して以来転落人生を歩む喜多野、一見順風満帆に見えるスタートアップ企業CEOの高木、女優志望だが現実は恵比寿のクラブで働く梨沙もそれぞれどん底を見た後で、より自分らしくいられる“居場所”を模索し始める。6人が透明ではなく“顔の見えるわたし”になる爽やかなラストを、ぜひ見届けてほしい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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