コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『ひっくり返ったセミの6ページ漫画』を紹介する。作者は、創作漫画『親友が生き返らない』をXとnoteで連載中のポポさん。8月15日にX(旧Twitter)にて本作を投稿したところ、5000件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、ポポさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
ひっくり返り、起き上がる元気もなく青空を眺めるセミ
物語の主人公は、地面にひっくり返り、もがくセミ。空を悠々と飛ぶ鳥を見ながら、「もうひっくり返る元気もないよ」とぼうっと考えごとをしている様子。
すると突然、セミの頭上に人間の手が現れる。「わあぁぁぁ~、大きな日陰だ~!!」とセミが驚いていると、その手はひっくり返ったセミを起き上がらせてくれた。思わぬ手助けのおかげで、再び歩き出すことに成功したセミだったが――。
本作を読んだ人たちからは、「最後救われてお空に泣いた」「鳥肌と涙が…」「めちゃくちゃ優しくて素晴らしい漫画」「これが本当の“手助け”か…」など、多くのコメントが寄せられている。
セミからの目線で見る世界や言葉
――『ひっくり返ったセミの6ページ漫画』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
お散歩の途中で、ひっくり返ったセミがいたので、ひっくり返して道端に移動させたのですが、お散歩の帰りにまた同じ道を通った時、あのセミはどうなったかなと探しても、もういなくて、そのセミのことが気になって、セミの目線で漫画を描きたくなって描きました。
――掌を「大きな日陰」と表現するなど、セミの目線になって描かれているところが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
セミの目線になれるように描いたので、気づいて頂けて嬉しいです。目線がなるべく下からになるように描きました。あとは虫が苦手な方もいるので、なるべくセミをかわいく描きたいと思いながら描きました。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
お気に入りのシーンは手が迫ってくるところです。セミにとってはこの手が自分を助けてくれるものなのか分からないものだと思うのですが、それでもそっとその手にしがみついて生きようとするのが愛おしいと思うからです。お気に入りのセリフは最後のさようならです。虫たちは短いいのちを潔く生きていると思います。それを表現できているような気がするからです。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
散歩中やカフェの時間など、ふとした時に思いつくシーンから作ります。
――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
あまり絵が怖くならないように気をつけます。特に虫はかわいく描きます。あとは、カメラがどこにあるかもできるだけ意識するようにしています。
――今後の展望や目標をお教えください。
SNS漫画家としてたくさん漫画を届けられるようになることです。一度諦めてしまった商業にもまたチャレンジしたいです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
漫画を読んでくださってとても嬉しいです。またどこかで漫画を見て頂けるように頑張ります。