ももいろクローバーZ(以下、ももクロ)の高城れにが10月25日、神奈川・KT Zepp Yokohamaでソロコン10周年ツアー「まるっと10年まるごとれにちゃんポジティブがすぎるツアー」のファイナル公演を行った。
全国のライブハウスを回り、高城の地元・横浜で迎えたファイナル公演
2024年、ももクロは3月の玉井詩織に始まり、7月の百田夏菜子、9月の佐々木彩夏とメンバー全員がソロコンを実施、高城はソロコン10周年ということで各地のモノノフ(ももクロファンの呼称)に会いに行くライブハウスツアーを開催。
6月に、東京・下北沢のCLUB251からスタートしたツアーは、全国のライブハウスを5カ月掛けて回り、高城の地元、神奈川・横浜でファイナルを迎えた。
今回のツアーは一貫して“空の旅”をテーマにしており、キービジュアルがキャビンアテンダントに扮(ふん)した高城で、新曲「ポジティブ・アテンションプリーズ!」がツアーのテーマ曲になっていた。
“2人の高城れに”が出会うという演出
「Daytime flight(昼公演)」のテーマは<いない。>。離陸直前の機内アナウンスを再現したオープニング映像が流れた後、高城が今回のツアーで着ていたキャビンアテンダント風衣装をさらにグレードアップした紫色の衣装で登場し、横浜魅力発信タイアップソングの「レニー来航!!」でライブはスタート。
横浜市歌のメロディーや横浜にちなんだワードのラップが盛り込まれたアッパーチューンで、まさに横浜公演の幕開けに相応しい1曲。さらに、「ようこそ!たくさん声を出して盛り上がっていきましょう!」とあおり、高城のソロ曲「spart!」「Voyage!」と続く。
そして、高城が咳込み、ももクロの「黒い週末」へ。いつものお約束で曲が始まると、バンドサウンドにもあおられ、モノノフのコールやクラップ、紫のペンライトを振る手にも力が入っていく。
ここで幕間映像が流れ、それまで快適な空の旅を続けていた飛行機が時空のゆがみから、“もしも高城がももクロをやっていなかったら、モノノフと出会っていなかったら”という、もう一つの世界線へと迷い込む。
高城の一人語りで進む中、映像には白いワンピースを着た幼少期の高城(子役)の姿が。映像の中の小さな少女がそのままステージに飛び出してくると、「じゃないほう」で次のブロックがスタートした。
サビの途中から、聖女のような白いレースのワンピース姿の高城が歌いながらステージに現れ、二人の高城が出会うという演出に。「もう一人の私を紹介したくなったのは君とこれから先も歩きたかったからです」という「じゃないほう」の歌詞ともリンクし、モノノフも紫のペンライトを振りながら2人の高城をじっと見守る。
続いて、アコースティックギターからスタートしたのは、ももクロの「孤独の中で鳴るBeatっ!」。ステージ中央の階段に座って丁寧に歌い上げる高城の姿に、モノノフも熱い視線を送る。ロックフェスでの定番となっている神聖かまってちゃん・の子が手掛けたももクロ楽曲の新たな魅力を引き出すと、さらにももクロ楽曲「なんとなく最低な日々」へ。
この曲では、机や椅子、コーヒーカップなど小道具がステージに用意され、高城は歌詞の内容に合わせて演技も交えて歌唱していく。さらに、「白金の夜明け」と「追憶のファンファーレ」という新旧のももクロアルバム曲2曲を続けて披露。
「追憶のファンファーレ」の後半では、再び少女時代の高城が登場し、二人が寄り添って手をつないで歌う中、ステージ後ろの大型ビジョンには、モノノフが書いた「れにちゃん、がんばれ」という手書きの付箋が次々と映し出される。
ストーリー性のあるももクロ楽曲が並んだ意外なセットリスト、2人の高城が出会うという演出、そこにモノノフからの直筆メッセージも加わり、心に残る昼公演のハイライトの1つとなった。