幕末の動乱期、“人斬り抜刀斎”として恐れられた緋村剣心(CV:斉藤壮馬)が、「不殺」の流浪人となって新たな時代を生きようとする姿を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。これまで舞台や実写映画化など、時代を超えて愛され続けてきた大人気作が2023年に新アニメとして復活。2024年10月からは、第二期となる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱』(毎週木曜深夜1:05-ほか、フジテレビほか/ABEMA・FOD・Hulu・Leminoほかで配信)が連続2クールで放送。第28話(第二期4話目)は、剣心と志々雄真実(CV:古川慎)との邂逅を描いた「野心家の肖像」。(以下、ネタバレを含みます)
暴力の恐怖は人間の尊厳を奪う
新月村に志々雄がいるという情報を入手し、単身村へやってきた斎藤一(CV:日野聡)は、そこで剣心と再会。広場に吊るされた三島栄次(CV:千葉翔也)の両親の遺体を弔おうとする剣心だが、尖角(CV:鶴岡聡)に恐れをなす村人たちは遺体に手を出すなと言い、剣心や栄次たちに村を出るように勧告する。しかし剣心はその言葉には耳を貸さず、何も言わずに遺体を降ろす。斎藤は、新月村を含めてすでに10の村が志々雄の手に落ちており、この村の姿こそ「志々雄が作る新時代の日本の姿だ」と剣心に伝えるのだった。
冒頭、新月村の村人たちが登場し、尖角の暴政によってすっかり人間としての尊厳を失ってしまった姿が描かれた。ここでは、そんな村人たちの情けない態度に納得のいかない巻町操(CV:山根綺)と、それを諌める斎藤のやりとりが印象深い。これまで不条理な暴力に打ちのめされた経験のない操からすれば、村人たちの様子はたしかに情けなく映ることだろう。だが幕末の動乱を生き抜いてきた斎藤は、暴力による恐怖がいかに人間から誇りや尊厳を奪ってしまうかを嫌というほど理解している。だからこそ村人たちにゲキを飛ばすのではなく、操のほうを諌めたのだ。そして斎藤と同じ時代を生きた剣心もそのことは百も承知で、村人たちに何かを求めることはしない。それでも、村人たちの意向に逆らってでも遺体を吊るすロープを切るところは、じつに剣心らしい振る舞いだと言える。この一連のシーンでは、暴力や戦争というものが、力なきふつうの人間にどんな影響を与えるのかを如実に語っており、村人を「薄情」や「卑怯」などの一言で片付けていないところが味わい深い。SNSでも「悲しいけどこれが現実か」「それだけに操の言葉は光なんだよな」などの声があがっていた。
剣心と志々雄がついに初顔合わせ
政府から見捨てられた新月村を救うため、栄次の無念を晴らすため、剣心は斎藤とともに志々雄の逗留している館へと向かう。二人は志々雄の側近である瀬田宗次郎(CV:山下大輝)に迎えられ、館内の座敷にて志々雄と対峙する。人斬りの先輩である剣心を前に、志々雄は改めて自身の正義を宣言する。それは暗殺されかけた明治政府への復讐ではなく、西欧列強の目を気にする弱々しい政府に成り代わり、自分が統治してより強い日本を作るというものだった。しかし剣心は「お前一人の正義のために、これ以上人々の血を流させるわけにはいかぬ」と逆刃刀を抜く。するとそこに、新月村を統治する尖角が登場し、剣心に戦いを挑む。
ついに剣心と志々雄が対峙した。動乱を好み、弱い国を強く作り変えるという己の正義を騙る志々雄と、平和に生きている人々の血が流れることを忌み嫌う剣心とでは、まさに水と油。「人斬り」の先輩後輩という関係性ではあるものの、真逆のキャラクター性であることが感じられる一幕だった。とは言え、今回の敵ボスである志々雄もじつに魅力的なキャラクターだ。たんに極悪非道という訳ではなく、身勝手ながらも己の正義があり、先輩である剣心をからかうなど、ユーモアも持ち合わせている。志々雄はシリーズでも屈指の人気を誇るキャラクターだが、その理由の一端が垣間見れたシーンだった。これにはSNSでも「悪役として無茶苦茶カッコいいんだよねぇ」「どこまでも余裕たっぷりなのが良いんだよなあ」などの声があがっていた。
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https://abema.tv/video/title/26-203
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https://fod.fujitv.co.jp/title/202j
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https://www.hulu.jp/rurouni-kenshin-kyoto-doran
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