コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、マンガワンで連載中の小花オトさんが描く『BFF』をピックアップ。
小花オトさんが2024年10月10日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、1.6万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、小花オトさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
バイトから帰宅すると部屋はもぬけの殻…
大学生の主人公・藍沢(あいざわ)は、イケメンでエリートの白鐘璃恩(しろがねりおん)が店長を務めるカフェでアルバイトとして働いている。自分は陰キャでオシャレなカフェで働けば何かが変わると思っていたが、居心地が悪いため辞めようと考えていた。
しかし同じバイト仲間の潮見理沙(しおみりさ)が気になり、なかなか辞める決心がつかなかった。璃恩は客からも人気があり、仕事もほとんど一人でやってしまう完璧具合。自身を陰キャと認める藍沢は、こんな人が親友であったら上手くいくのかもしれない、と考えるのだった。
バイトが終わり、雨が降っていたため傘を取りに一度店に戻った藍沢は、店長の前で顔を真っ赤にする理沙を見てしまう。それを見てショックを受けた藍沢は、スタッフルームから出てきた璃恩に勢いでバイトを辞めると申し出るのだった。
バイト先から帰宅した藍沢は、自身の部屋から一切の家具が消えていることに気づく。空き巣に入られたと焦る藍沢だったが、タイミングよく璃恩から電話が入り、事情を話す。店に戻るように言われた藍沢は、雨の中びしょ濡れになりながら璃恩の元へ。店の2階に住んでいるという璃恩は、藍沢の部屋もあるのだという。そして、部屋に案内された藍沢は、その部屋に自分の家具がそろっていることを知り驚く。すべての家具は璃恩が移動していたことがわかるのだった。
異常だと感じた藍沢は何度も逃げようとするが、しまいには大きな鳥籠まで持ち出す璃恩。璃恩がこのような行動に出たのは、藍沢がバイトを辞める際に璃恩のことを「完璧だ」「親友」になってくれたら、と言ったからだと言う。こうして、何をしても逃げられなさそうな藍沢と璃恩の不思議な共同生活が始まるのだった…。
作品を読んだ読者からは、「笑いのテンポがすごく良い」「絵もコマ割りもカメラ回しもキャラもギャグも一級品」など、反響の声が多く寄せられている。
作者・小花オトさん「下がった口角をどうひっくり返して笑った口にするかというところから着想を…」
――『BFF』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
まずきっかけとして、主人公の白鐘璃恩は前作『翼くんはあかぬけたいのに』の後半で登場したキャラクターなのですが、深く掘り下げる前に作品が完結したのでスピンオフという形で『BFF』が生まれました。せっかくいいキャラを作ったのにもったいないと悔しくて…!
ですがただのスピンオフではなく、璃恩や彼を取り巻くキャラクター達とで『BFF』としての独立した新しい魅力を表現していきたいというのが今の一番大きな理由です。
前作から読んでいただいているみなさんにはもちろん、今作からの読者さんにも楽しんでいただける作品にしたいです。
――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
今作というより私の作品全てにおいて心がけているのは『キャラクター同士のパワーバランス』です。
片方がツッコみっぱなし、攻撃されっぱなしではなく、基本的に誰もがツッコむし反撃するという掛け合いになるようにしています。みんなまともでみんな変だからおもしろかったり愛されるキャラになるのかなと思います。
『BFF』に絞るとすれば『とはいえできるだけかわいそうな目に遭わせたい』です。みんな癖が強いのでどうにかして弱みを見せたい一心です。
――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
手前味噌ですが気に入ってるシーンがたくさんあって迷いました…!でも現状一番笑ったのは3話のオチです。藍沢くんの情緒崩壊っぷりに自分で描きながら涙流すほど笑いました。
アシスタントさんも意味わからないぐらい笑ってて「これは傑作や!」と思ってたんですが、今考えると締め切り前の修羅場ハイだったかもしれません。でも好きです。
――投稿には「笑いのテンポがすごく良い」「キャラもギャグも一級品」など多くの反響がありました。小花オトさんは普段漫画を描く上でどういったところから着想を得られるのでしょうか?
そう言っていただけて大変光栄です!
私自身が超絶ダメ人間なので、これまでしてきたたくさんの失敗からヒントをもらっています。
そして父親がものすごい楽観主義者で、幼いころからどんな失敗や不運も必ず笑いで吹き飛ばしてくれたそのおふざけ精神が根幹になっていると思います。
『道端で転んだ』だけなら悲劇ですが『転んだ勢いで隣の県までスライディングしていくかと思っ…ちがうな…最悪な例えしか出ないな…。
どんな悲劇も最後に笑っていれば喜劇、下がった口角をどうひっくり返して笑った口にするかというところから着想を得ています!
――小花オトさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
私はどうがんばっても壮大な冒険譚は描けませんし、全国民がときめく恋愛も描けません。でも私にしか描けない何かがあると思います。
なので目標はただひとつ、それを極めていきたいです。
それとめちゃくちゃ売れてほしいです。そしてメディア化もお待ちしております。あと身長をもう10㎝ください。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
いつもあたたかいご声援をいただき本当にありがとうございます!みなさんの日々のなかの、笑顔でいる時間がさらに増えるようペンを走らせています。
これからもみんなでふざけながらいろんなことを笑い飛ばしていけたらと思います!
(インタビュー受けたいって夢が叶ったよー!やったね!WEBザテレビジョン様、本当にありがとうございます!!)