KinKi Kidsの堂本剛が11月4日、映画「まる」大ヒット御礼舞台あいさつに、荻上直子監督と共に出席。本作で初挑戦した映画音楽を荻上監督が絶賛する場面があった。
“まる展”開催に意欲「監督と製作会社さん含めてOKであればすぐにでもやります」
堂本が27年ぶりに映画単独主演を務める本作は、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田が、自ら描いた“〇(まる)”を発端に、日常が“〇”に浸食され始める奇想天外な物語。主題歌は堂本が2002年に発表した「街」を再レコーディングした「街(movie ver.)」で、堂本は「.ENDRECHERI./堂本剛」として映画音楽にも初挑戦している。
荻上監督は、本作での堂本の印象を聞かれ「思っていたけれど、やっぱり天才でした」としみじみ。堂本は「天才じゃない(笑)。すごく取材とかでもこうでした、ああでしたって言ってくださいますけど、大丈夫ですよ」とやんわり否定したが、荻上監督が「左手で初めて描いたまるが本当に映像で映っているまる。練習もせず。あの屋上のまるとかも見事」と続けると、堂本は「屋上のまるは天才でした。モップであんなの描いたこと初めてだったので、あれは天才的なまる」と頷き、笑いを誘った。
荻上監督が「“まる展”とかないんですかね。この後」と提案すると、会場からは拍手が巻き起こる。堂本は「やりたいですか。監督と製作会社さん含めてOKであればすぐにでもやりますけど」と快諾。荻上監督は「売っちゃったらいかがですか?」と投げかけ、堂本は「売りましょうか、まる描いて(笑)。本当にやりますか、沢田を」と映画の展開を再現することに前向きだった。
初挑戦の映画音楽は“パーフェクト”
劇中での沢田が口笛を吹くシーンについて聞かれた際には、荻上監督が「口笛はもともと(メロディーを)考えてくださっていて、それをもとに一番最初に出してくださった音楽が本当にパーフェクトだった」と堂本の手掛けた劇中の音楽に言及。
音楽を入れるバランスに関して、堂本は「役者さん一人ひとりの間というものが本当にすごく大切に閉じ込められているんですよ。だから音が鳴ってしまうと息継ぎとかも含めて変えてしまうので、非常に怖かったのと、繊細な作業が必要になるなと思っていた」と振り返る。
そして「だからあまり音楽をつける必要がないなと思って、最初に監督にお話して『ここにこういうような音が欲しい』とオーダーをお聞きしてそれから作業に入ったという感じなんです。だから映画にしては音楽は本当に少ないと思います」とした上で、「心の奥底にメッセージを届けるためにはこれくらいの分量がいいんじゃないかなと思って作業はした」と伝えた。
さらに「悲しい音楽が鳴ると悲しくなっちゃうし、明るい曲が明るい気持ちになっていく。それを誘導してしまうことにもなるので、そこはあえて見る方がどういうふうに感じ取られるかというところに繋げていくという意味では、音楽はなくてもいいかなと判断したシーンは多かったです」と回顧。
作品に合わせた音楽作りを称賛されつつ、司会から「今後も映画の音楽を聞きたい」とリクエストされた堂本は「オファーがあればやらせていただきます」と応じ、拍手を受けた。
◆取材・文=山田健史