コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はコミック百合姫で連載中の『無力聖女と無能王女~魔力ゼロで召喚された聖女の異世界救国記~』から、漫画家の玉崎たまさんがXに投稿された『異世界召喚で魔力ゼロのダメ聖女になったらお姫様に求婚された話』をピックアップ。
2024年10月18日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、6千件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、玉崎たまさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
落ちこぼれが異世界で聖女に
引きこもって高校を中退したナナは、アルバイトや派遣でなんとか日々を食いつないでいる。自分に自信がなく、恋人も友達もいない。自分のことが嫌になりながら部屋で寝っ転がっていると、突然床に魔法陣が浮かび上がり…異世界へ召喚されてしまう…。
ナナを召喚したのは魔法世界サンタマギアの王宮付き魔術師。聖女として、王女と共に王位継承権をかけ、国を厄災から救うことを託される。しかし魔力判定でナナに魔力がないことがわかった人々は驚きを隠せない…。異世界まで来ても無力な自分に落ち込むナナ…。しかもペアを組む王女も魔法が使えないという。
果たして落ちこぼれ二人のタッグは国を厄災から救えるのか…。自己肯定感ゼロのナナと、自分の欠点と向き合う王女…落ちこぼれの二人が支えあい、欠点を補いあう姿いに読者からは「ほんとに最高」「とてもよかった」など多くの反響が寄せられている。
作者・玉崎たまさん「絶望的だった夢にも手が届くかもしれない」
―― 『無力聖女と無能王女~魔力ゼロで召喚された聖女の異世界救国記~』を創作したきっかけや理由などをお教えください。
以前の連載が完結する前から、次の連載企画について担当さんと打ち合わせを重ねていたのですが、なかなか難航していました。心機一転、何か興味のあるジャンルや描いてみたいものはありますか?と問われ、その時ちょうど夢中で読み漁っていた『小説家になろう』や、そこからアニメ化した作品などを観てハマっていたので、今流行っている異世界ものを自分も描いてみたいと思ったのがきっかけです。
この後も色々どういう話にするかの案を出したのですが、最もしっくりきたのが異世界召喚の聖女ものでした。
――本作はコンプレックスを持つ二人の少女がメインキャラクターですが、キャラクター設定の着想はどのように得られたのですか?
主人公である現代人のナナは、人生に躓いている平凡な女性です。自信もなく、余裕もなく、目標も持てない。人の期待に応えられるか常に怯えている。そんな自己肯定感が低い主人公を優しさで支えて、かつグイグイと目標の方向へ引っ張っていってくれるパートナーとして、ルリアム王女を添えました。
お互いが唯一無二の相手であり、二人が元々持っている欠点をガッチリ補完できる。それがコンプレックスをもつ設定の着想点です。ただ、相手が頼れる存在だからといって、どちらかにおんぶに抱っこ状態ではカッコ悪いので、個人はちゃんと自立している人間であることを念頭においています。
――作品の中でとくに気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
やっぱり一番は、第一話のラスト、ナナがルリアムを救うためにお城全体を照らすほどの聖魔法を使ったシーンです。
現代でも異世界でもダメダメで、でもダメながらもどうにか頑張っていきましょう…という、底辺のマイナススタートだったところから、実は主人公が圧倒的な能力を持っていて、絶望的だった夢にも手が届くかもしれない事実が発覚した瞬間って本当に熱いですから。
しかもその方法が、キス。これからもっと二人の触れ合いシーンが見られるという方向の希望も見えるかな…と。笑
――今後の展望や目標もお教えください。
彼女達が動いて喋っているのを観てみたいです。でもまずは、作った設定や展開を今後のお話でしっかり出しきれたら良いな…と!あと略称を散々迷ってますがいい加減決めないと…
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。。
先月第一巻も出すことができて、ストーリー的にもまだこれから広がりを見せる『無力聖女と無能王女』。拙作をお手にとってくださり、ご感想を届けてくださる読者の皆様によって、日々筆を持つ気力活力を得ております。
もっと続きが読みたいと思えるようなお話を作れるよう今後も頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします!
『無力聖女と無能王女~魔力ゼロで召喚された聖女の異世界救国記~』を読む
■作者X(旧Twitter):玉崎たま[@tmsktama]
■一迅プラス:無力聖女と無能王女~魔力ゼロで召喚された聖女の異世界救国記~
KADOKAWA
発売日: 2023/09/27