コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、サンデーうぇぶりにて読切掲載されたmmkさんの『寂しさで埋めないように』(投稿時タイトル『実家の冷蔵庫が空っぽだった話』)をピックアップ。
2024年9月25日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、11万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、今作の編集者を担当している小学館の宮川さんにインタビューを行い、本作を含めたmmkさんが創作する漫画の魅力について話を伺った。
空っぽの冷蔵庫は「寂しい」…息子のために料理の作り置きをしてくれる母
ひとり暮らしをしながら大学へ通う息子のため、定期的に冷蔵庫いっぱいに作り置きを持ってくる母。この日も大量のタッパーに詰めた料理を持って、息子の家を訪れていた。空っぽの冷蔵庫を見て、「寂しい」とこぼす母の気持ちを息子は知る由もない。
ある日、母が倒れて入院した。心配した息子が病院へお見舞いに行ったところ、幸い大事には至っておらず検査入院で翌日退院できるとのことだった。そして、息子はそのまま実家へ泊まることに。夕飯を食べていなかったため、何かあればと冷蔵庫を開けてみると…中はほとんど何も入っていない状態。このとき、息子は前に母が言っていた「(冷蔵庫が空っぽなのは)寂しい」という気持ちがわかったのだった。
すぐに息子は買い物へ行き、両手で持てるだけの食材を買ってきて料理を作り始める。普段は自炊しない息子が試行錯誤しながら頭に思い浮かべていたのは、子どもの頃、お腹を空かせるといつも笑顔のお母さんが冷蔵庫を開け、中には美味しい料理がたくさん詰まっていた光景。そして、大学生になった今も、母がタッパーに詰めて持ってきてくれる料理は全部、自分の大好物だったことにも今更ながら気づく。
翌日、無事に退院して帰ってきた母が冷蔵庫を開けると、空っぽだったはずなのにたくさんの料理が…。そして、その後の息子からの言葉に涙が溢れるのだった――。
本作の投稿に読者からは「心洗われた」「ちょっとウルっときたわ」「かーさんのご飯、久しぶりに食べたくなった」など、親子愛に心を温めているコメントが多数寄せられた。
小学館の担当編集・宮川さん「最後のページまで読んで頂き、本当の意味を分かって頂けましたら嬉しいです!」
――『寂しさで埋めないように』を読んだ際のご感想をお聞かせいただけますでしょうか。
mmk先生の前作が『ラブコメクエスト』というコメディ漫画でしたので、ハートフルな人情ドラマも描けることに驚きました。
――本作の中で、特に印象に残ったシーンやセリフなどをお聞かせいただけますでしょうか。
最後のページのセリフ「寂しさで埋めないように。」です。
タイトルを一目見ただけではどういう意味か分からないと思うので、ぜひ漫画を最後のページまで読んで頂き、本当の意味を分かって頂けましたら嬉しいです!
――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていましたが、今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか。
今作の主人公のように、両親に対して感謝の気持ちを抱いている方々が共感してくださったのかなと思います。
この漫画がもし、感謝を言葉で伝えるキッカケになれていたら、最高だなと思います。
――mmkさんは今作の他に、『ラブコメクエスト』や『となりの席のヤツがそういう目で見てくる』などのラブコメ作品も創作されていますが、作者が描く漫画の魅力をお聞かせください。
現在連載中の『となりの席のヤツがそういう目で見てくる』は、1話あたりのページ数が「8ページ」と非常に短いのですが、短いことを全く感じさせない面白さと満足感があります。
今作『寂しさで埋めないように』もそうなのですが、短いページ数でも読んだ人を楽しませたり、笑わせたり、キュンとさせたり、泣かせたりできるところが、mmk先生の漫画家さんとして特筆すべき才能かなと思います。
今作を面白いと感じられた方には是非、『となりの席のヤツがそういう目で見てくる』も試しに読んでみて頂きたいです!何卒よろしくお願い致します。