池松壮亮が11月9日、都内で開催された映画「本心」公開記念舞台あいさつに、三吉彩花、水上恒司、妻夫木聡、田中裕子、石井裕也監督と共に登壇した。
もしかしたら近い未来にやってくるかもしれない世界を描く問題作
映画「本心」は、平野啓一郎の同名小説を映画化したもので、テクノロジーが進化する時代をさまよう人間の本質を描くヒューマンミステリー。今と地続きにある近い将来、“自由死”を望んだ母の“本心”を知ろうとした青年が、進化した時代に迷う姿を映し出す。
登壇した池松が印象的なシーンの撮影秘話を告白
池松は、主人公の朔也がバーチャル・フィギュアの母と出会うシーンについて「自分自身も強烈に残っているシーンでした。これから我々が、もしかしたら未来で遭遇するシチュエーションかもしれないし…。自分自身が母を作り上げてしまったこと、そして亡くなった最愛の人に会えた朔也の純粋過ぎる喜び、『目の前の母が本当の母のようだけど、母ではないのかもしれない、いや母ではない』という複雑さなど、いろいろなものが混ざって心が震えるような感覚が残っています」と語る。
また、三吉演じる三好とのレストランでのダンスシーンについては「三好が安い一張羅のドレスを着て、朔也も安い一張羅のスーツで、(互いが)触れられないダンス。あれは原作にはないですけど、非常に石井映画的な幸福なシーンで、ずっと泣きそうだったのを覚えています」と振り返った。
Happinet