池松壮亮が水上恒司の役の向き合い方を絶賛
ほか、朔也の幼なじみ・岸谷を演じた水上について「クライマックスの対峙するシーンだけじゃなく、一貫して本当に素晴らしかったです。岸谷には僕も思い入れがあり過ぎて、今、特殊詐欺とかのニュースを聞くたびに岸谷のことを思い出してしまう。『水上くん、大丈夫かな』って思ってる」と打ち明け、爆笑をさらう。
そして、「ああいう破滅と本当に紙一重にある時代に追い込まれた若者たちを、ある包容力を持って水上くんが真っすぐ演じられているのが非常に見ていて気持ち良くて、余計な気を使ったりとかが必要なかった。真っすぐに向き合えて、素晴らしいなと思いました」と絶賛していた。
◆取材・文=原田健
映画「本心」あらすじ
工場で働く青年・朔也(池松)は、同居する母(田中)から仕事中に電話が入り、「帰ったら大切な話をしたい」と告げられる。帰宅を急ぐ朔也は、途中豪雨で氾濫する川べりに母が立っているのを目撃。助けようと飛び込むも重傷を負い、1年もの間昏睡状態に陥ってしまう。
目が覚めた時は母は亡くなっており、生前“自由死”を選択していたと聞かされる。退院した時は、ロボット化の波で勤務先は閉鎖。唯一の家族を失くした朔也は、激変した世界に戸惑いながらも幼なじみの岸谷の紹介で、「リアル・アバター」の仕事を始める。
そんな中、仮想空間上に任意の“人間”を作る「バーチャル・フィギュア」という技術を知った朔也は、「母は何を伝えたかったのか?どうして死を望んでいたのか?」を解消したい気持ちから、なけなしの貯金を費やして開発者の野崎(妻夫木)に「母を作ってほしい」と依頼する。
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