コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、ウォーカープラスで連載されていたタジマオオカさんが描く『お客様は神様ですか?カスハラ奮闘記』10話~12話をピックアップ。
2024年10月7日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、8,500件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、タジマオオカさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描いた際のこだわりについて語ってもらった。
販売員として働く作者が直面したカスハラ問題
本作は、作者のタジマオオカさんがカスタマーハラスメントと向き合い、考え続けた日々を描いた作品だ。今回紹介するお話では、デパートの販売員として働くタジマさんのお店にやってきた客が「なんか手頃なもんはあるか?」と質問したことから始まる。
別の店員が対応することになり、「手頃なもん」として商品の中から“お求めやすいもの”を案内したのが、客にとって気に食わなかったようだ。客は安物を勧められたと思い、急に語気が強まって「俺を貧乏人扱いか!バカにするな」と怒鳴り始める。店員が謝罪をしても一向に怒りが収まらない様子の客を見て、タジマさんが間に入る。そして、このようなケースの対応として大切な“人・場所・状況の何かを変える”を実践して、客を売り場から離しゆっくり話を聞いているうちに、だんだんと客の口調が落ち着いてきた。
冷静な対応によりどうにか場が収まった形だが、これで解決とはタジマさんは思っていなかった。一部の客が従業員を下に見て責めてもいい、怒鳴ってもいいという認識でいることの他に、カスハラに遭遇した店員に対し周りや上司がフォローせず丸投げしている環境も問題だと感じていた。
今回の件をきっかけに、タジマさんは主任に相談することを決意。現場の店員たちだけではなく、会社の上司たちにもカスハラの実態を知って向き合ってほしいと思ったのだ。客から受けた暴言、セクハラまがいの行動など、これまで店員たちが遭遇したカスハラを主任に伝えるタジマさん。「それでも『お客様は神様』ですか?」この状況を打破したいタジマさんの瞳からは涙がこぼれていた。
本作の投稿には、「100円投げつけられたことあります」「百貨店に勤めた頃を思い出します」など、カスハラに遭遇したことがある読者からの反響コメントも多く寄せられた。本作以降のお話では、タジマさんの行動によって会社や従業員がどう変化していったかが描かれているため、気になる人はぜひチェックしてほしい。
作者・タジマオオカさん「この漫画で接客の仕事が嫌になったりしないでほしいという気持ちを大切に」
――『お客様は神様ですか?カスハラ奮闘記』を創作したきっかけや理由などをお教えください。
どんな仕事でも良い面があって、働く事で得られるものも多いと思っています。
ただ何度もハラスメントを経験すると自信や誇りを失ってしまいます。
描き始めた当時は今ほどカスハラという言葉が浸透しておらず「カスハラって何?」という状態だったので、こんな事って本当にあるんです!とお知らせしたい気持ちで描き始めました。
――本作を描く上で特に心がけたところ、大切にしたことなどをお教えください。
テーマ的にハラスメントのシーンが何度か出てくるのですが、誇張しないで描くように心がけました。
読んで下さるのは接客業の方が多いかと思いましたので、この漫画で接客の仕事が嫌になったりしないでほしいという気持ちを大切にしました。
――X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように感じていらっしゃいますか。
素直にありがたいです。1回の投稿としては長いものでしたが、最後まで読んでいただけて本当に感謝しています。
――今回ご紹介しているのは第10話~第12話ですが、その他のお話を含め作品を通しての見どころや注目してほしいポイントなどをお教えください。
12話以降のお話になりますが、クレームとカスハラの違いなど線引すら難しい問題に小さな会社がどう取り組むのか?という部分と、上司が現場に向き合った時に起きる従業員の気持ちの変化を是非見ていただきたいです。
――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。
これからも色々な漫画を描いていきたいと思っていますので、応援していただけたらとても嬉しいです。