北村一輝が主演を務めるミニドラマ「おっちゃんキッチン」が民放公式テレビ配信サービス・TVerとTVer公式SNSで配信中だ。11月8日に配信開始となった第10話のゲストは、ドラマ「素晴らしき哉、先生!」(ABCテレビ・テレビ朝日系)の生徒役で話題を集めた山口真佑奈。彼女が演じる24歳看護師との会話で、店主の学(北村)は娘と関係がこじれるきっかけとなった出来事を思い出す。
「おっちゃんキッチン」とは
TVerとKDDIによるコンテンツ共同制作プロジェクトが始動。
その第一弾作品となる本作は、北村演じる“おっちゃん”店主が営むこぢんまりとした食堂を舞台にした配信ミニドラマ。“おっちゃん”の決め台詞「おまち丼(どん)さま」を合言葉に提供される、心を満たす丼グルメと共に、自身の悩みの解決につながる糸口をその丼から得る若者の姿や、若者たちとの手探りなコミュニケーションを通じて自身の“アップデート”を目指す店主の姿が描かれる。
横型動画をTVerで、縦型動画をTVer公式SNS(TikTok、YouTubeShorts、LINEVOOM、X)で、それぞれ視点の異なるストーリーとして展開される。
山口真佑奈演じる看護師が関西弁でわがままな患者にツッコミ!
店主の学は家出中の娘・サクラから一向に返信が来ず、悩んでいた。「文句があるなら聞くぞ!」と送ってみるが、既読にもならない。もう昔のような関係には戻れないのかもしれないと諦めかけたとき、一人の女性客がお店にやってくる。
席に着くなり、学が悩んでいることを雰囲気で感じ取ったのか、「最近、お疲れ気味ですか?」「ちゃんとご飯とか食べられてます?」と質問ぜめにする彼女は24歳の看護師(山口真佑奈)。日頃からアンテナを広げて患者の様子を観察している彼女は、相手の健康状態が気になるようだ。
看護師は私たちが病気や怪我で心細い時に優しく寄り添ってくれる存在。そんな看護師にも悩みはある。お通しのコンビーフパテのブルスケッタでお酒が進んだ彼女は、“オシャレパジャマ”と呼ぶ患者への愚痴を語り始めた。
病院食に文句をつけ、看護師に普段使っているドレッシングを買いに行かせようとしたり、男性看護師ではなく女性看護師を指名したりと、わがまま放題な患者への怒りは徐々にヒートアップ。先ほどまでは標準語だったのに、突如関西弁で「うちはおかんやない!」「ここはキャバクラちゃう!」とツッコミまくる。
生田絵梨花が高校教師に扮するドラマ「素晴らしき哉、先生!」(ABCテレビ・テレビ朝日系)ではオーディションで応募数約1300人の中から生徒役の一人に選ばれ、バスケ部の元気な女の子を演じた山口。大阪府出身で関西弁ネイティブの彼女が切れ味の鋭いツッコミ台詞で新境地を開いた。
店主と娘の関係がこじれたきっかけとは?
そんな彼女の言葉をヒントに、学は麻婆豆腐丼を作った。でも、ただの麻婆豆腐丼ではない。「おまち丼さま」という決め台詞とともに料理を提供する前に、客の目の前で丼ぶりにかけたのは鶏で出汁をとった水炊きスープだ。それをかけることによってピリ辛でこってりな麻婆豆腐がまろやかになり、体の弱い人やお年寄りの人にも楽しんでもらえる味になる。
その優しい味に包まれた看護師は、大嫌いな“オシャレパジャマ”も「窓しかなく天井しか見ることのできないベットで何ヶ月も頑張っている患者の一人」と思えるように。そして、「水炊きスープのような優しさが必要」だと看護師としての初心を思い出した彼女を見て、学は亡くなった妻のことを思い出す。
妻が入院中、学はずっと店に出ていたようだ。それは妻が弱っていくのを見る勇気がなかったのかもしれないし、妻と切り盛りしていた店を守るためだったのかもしれない。色々な事情が考えられるが、病気の妻と向き合えなかったのは事実。そのことでサクラは自分のことをまだ恨んでいるのかもしれないと思った学は「文句があるなら聞くぞ!」という好戦的なメッセージを取り消し、「何か、言いたいことはありますか?」と送り直す。
すると、サクラから「お父さんは?」と久しぶりに返信が。そのメッセージにすぐには返事をせず、なにやら考え込む学。果たして娘からの問いに、学はどのような返事をするのだろうか。
■文/苫とり子