多くの人に愛してもらえるように、7人の声でOPテーマに命を吹き込む
――改めて、『多数欠』という作品の魅力を教えてください。
まずストーリーと設定がめちゃくちゃ面白くて。単なるバトル漫画でもないし、かといって謎解きモノかと言ったらそれだけでもなく、「今までこんな作品なかったよね」って思うような作品になっています。こんなにたくさんの要素が融合しているのに一貫性のあるストーリーになっているのが、すごいなと思いました。あと、キャラクターのバリエーションが豊かで、かつ嫌いになるキャラが一人もいないんです。原作者である宮川大河先生もおっしゃっていたんですが、絶対にどのキャラにも好かれるポイントがあって、絶対悪がいない。だからぜひアニメを観ながら自分の推しを見つけてほしいですね。
――ちなみに川島さんの推しは誰ですか?
甲斐はもちろんですけど、原作を読んでいてごぼう(護国鳳天寺暴麟丸)が大好きになっちゃいました。本作のキャラクターにはそれぞれ「特権利」という特殊能力が備わっているんですが、ごぼうが持っているのは「表示権」といってただ情報を画面に写すだけの能力なんです。だけど、実はその能力が戦闘にも使えたり、仲間で情報を共有し合うネットワークにもなったりするんですよね。そういう風に一見強くない力を上手く使いこなして、みんなを助けるところがかっこいいんです。
――Travis Japanとして担当するOPテーマの『Fly Higher』について、どんな楽曲になっているかを教えてください。
(※2024年4月取材時点)まだ僕たちも完成した状態では聞いていないんですが、Travis Japanの楽曲が起用されるのは第2クールからで、作中でも戦いが激しさを増していくタイミングだと思うんですよ。だから疾走感があって、キャラクターをより魅力的に感じてもらえる爽やかなJ-POPみたいなものができたらいいなとは思ってますね。それこそアニメのキャラに声を当てるのと同じように、僕たちも7人の声で新しい楽曲に命を吹き込むわけじゃないですか。だから、やっぱり多くの人に愛してもらえるように作りたいですし、それがTravis Japanの世界の中だけで完結するんじゃなくて、『多数欠』という作品と合わさった時に初めて完結するような楽曲になったらいいなとも思っています。
次に声優をするなら、ゴリゴリの悪役をやってみたい(笑)
――今回、声優に初挑戦されて、今までのアニメの見方や作品に対する考え方から変わった部分はありましたか?
アニメを一視聴者として観ていた時は、単純に「絵が綺麗だな」とか「スピード感があって面白いな」っていう風に思っていたんですけど、今回声優として制作現場に入ってみて、僕たちが観ている一つひとつの要素に意図を持たせて作られているものなんだなと思いました。例えば、キャラクターの声にしても裏で声優さんが声を当てているわけじゃないですか。でもそれを一切感じさせず、キャラクター自身が喋っているように聞こえさせるのが、いかにすごいことなのか。裏側を知ってからより感動するようになりましたし、新しい楽しみ方が増えて、ストーリーや流れを知った上で、こだわりポイントを確認するために何度も観返すようになりました。
――もしまた声優のお仕事をされる機会があったら、演じてみたい役や挑戦してみたい作品のジャンルはありますか?
今回演じた甲斐が悪役っぽさもありながら、どこか憎めない可愛さがある子だったので、次はゴリゴリの悪役を演じてみたいですね(笑)。やっぱりヴィランが輝いていると、その分ヒーローがかっこよく見えるじゃないですか。僕はアニメにもなっている少年ジャンプ作品の『僕のヒーローアカデミア』がスマホケースにステッカーを貼ったり、ラバーストラップをつけたりするくらい好きなんですけど、それこそヴィランが輝く作品なんです。だから僕もいつか悪役に徹して、「やっぱヒーローってかっこいいな!」って思ってもらいたいですね。
――最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします!
初めての挑戦となりましたが、自分なりにいっぱい準備して、本番でも今出せる100点満点を出したつもりでいます。観ていただく方が「今、如恵留の声だった?」って思わず聞き逃しちゃうくらい一生懸命頑張ったので、聞き逃さないように葛西甲斐というキャラクターに注目しつつ、新しい挑戦に際してワクワク楽しんでいる僕の感覚をリアルタイムで一緒に味わっていただけたら嬉しいです!
■取材・文=苫とり子/ヘアメイク=佐藤紀子(JOUER)/スタイリング=横田勝広(YKP)
日本テレビ、BS日テレ、RAB ⻘森放送にて毎週火曜日25:59〜順次放送中
https://www.vap.co.jp/tasuketsu_anime/
▼TVerで「多数欠」番組ページを見る▼