「どーせアンタなんか、1カ月で死ぬんだから!」
五味は激しい痛みの苦しさといら立ちから、吉子に暴言を浴びせた。彼女はカチンときたが、言い返す前に6秒数えた。その間にも、五味は柚子にも当たり散らし、「役立たず」と物をぶつけた。その時、ガマンの限界を超えた柚子が「何でも好きに言えば?どーせアンタなんか、1カ月で死ぬんだから!」と怒鳴ってしまった…。
突然、余命を知らされて凍りついた五味の目前で、吉子は柚子を思いっきりビンタした。そして、「申し訳ございませんでした!!」と文字通り2つ折り状態で頭を下げ続けた。その隣で、柚子は「私は悪くない」という気持ちと後悔が混ざった複雑な表情のまま突っ立っていた。
吉子は、翌日からしばらく謹慎処分に。寮に帰ると、謝ろうと待っていた柚子に、先に「ごめん」と謝る。患者にセクハラされても我慢しろと言ったのは間違っていたと認めたのだ。柚子ももちろん吉子に謝ったが、「謝るのは私じゃない」と告げて自室に向かった。
柚子は心から五味に謝罪したが、五味は「ひどいことを言って悪かった」と逆に詫びた。そして、謝罪のために病室を訪れた院長の薬師丸に「看護師さんたちは悪くない」と告げるのだった。
病室を出た薬師丸は、塔子に2人の処分は任せると言ったが、塔子が「2人には厳重注意。吉子は謹慎解除、プリセプターも継続させる」と告げると、「賢明な判断とは思えない」と難色を示す。命を預かる現場で感情的になる人物は危険だ、というのがその理由だ。だが、塔子は「ナースは感情的になってもいいと思う」と反論。そして、「次に同じことが起きた時は、責任を取る」と言って、吉子らを守った。
薬師丸は、これまで自分の理想から外れる人物は皆、排除してきた。普段は自分の考えに心酔している塔子が反論してきたのは、内心かなり不愉快だったに違いない。彼は近くで作業していた静にどう思うかと尋ね、静は、薬師丸が判断を任せた塔子の考えを尊重する、と答えた。「任せる」と言ったのに、答えが気に入らないと否定するのはおかしい、と言われたのも同様で、薬師丸はさらに不快な気持ちになった。
成長を見せた柚子だったが…
数日後、柚子は「寝ないで完璧に仕上げた」と言いながら、処置の方法についてのレポートを吉子に提出。「今朝のミスはそのせいなのか。そんなことで患者に対応できると思っているのか」と相変わらず苦言を呈する吉子。今日も実践ではなく吉子に同行して学ぶ“シャドウ”だと言われた柚子はガッカリ…。だが、吉子は「レポートは完璧だから、(実践は)次回ね」と告げる。病室に向かう吉子は、いつものクールな無表情ではなく、珍しくほほ笑んでいた。
柚子は、レポートも完璧に書き、セクハラする患者にも「次やったら、グーで殴ります。入院が長引いても知りませんよ」と、毅然とした中に優しさも感じられる対応ができるようになった。彼女は成長を見せ、この先育っていけば吉子と、静と歩のような“ケンカするほど仲がいい”関係になれるかも…と思ったが、次回、柚子はかなり深刻な“やらかし”をする様子…。「次に何かあれば責任を取る」と言った塔子の立場も心配だ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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