保証が切れた愛莉の思いは…
その後、優希が部屋に来ることになり、“見極めよう”としたが分からなかったという愛莉。ただ、「私、やっぱりその子の似顔絵を描いて、見せたい、渡したいって思ってたんだなって。でも、その勇気がなかったんだなぁって」気付いたと和沙に打ち明けた。
その日、偶然にもバイト先の遊園地に優希と広海が来ることになっていた。和沙は似顔絵を描きに行こうと誘った。優希たちには着ぐるみのバイトをしていることを伝えていない愛莉は、着ぐるみのままで優希の絵を描いて渡した。
その絵の隅にあった「2年保証致します」は、和沙が書いたもの。「2年たっても、あの子が心に残っていたら、あなたは私にとって大事な人なんだよって伝えてあげな。今度は色付きで書いてあげてさ。2年もあれば、それくらいの心の準備できるっしょ」と和沙。
無事に似顔絵を渡せた愛莉は、虎之介に「まだまだ分からない」としつつも「私の優希に対する気持ちは、そっちが言う“好き”とは違うと思う」と告げた。それに対する虎之介の「“好き”って難しい」は、確かにそうなのだ。厳密にどこからというラインはあいまいで、1人1人、好きという気持ちは違うだろうし、1つの種類でもないだろう。また、その度合いを測ったり、比べたりもナンセンスだ。
2年たって愛莉は優希に「大事な人」と伝えた。それが恋愛なのか友情なのかは、はっきりとは示されずに余韻を残した。本作の行間を読む楽しさがまた広がった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
講談社
発売日: 2024/05/02