北村一輝が主演を務めるミニドラマ「おっちゃんキッチン」が民放公式テレビ配信サービス・TVerとTVer公式SNSで配信中だ。11月15日に配信開始となった第11話では、大人気作「推しの子」の実写舞台で有馬かな役を演じる佐竹桃華がゲストに登場。最終回を目前に控え、佐竹演じる若手経営者に学んで娘に自分の想いを伝えようとする学だったが……。
「おっちゃんキッチン」とは
TVerとKDDIによるコンテンツ共同制作プロジェクトが始動。
その第一弾作品となる本作は、北村演じる“おっちゃん”店主が営むこぢんまりとした食堂を舞台にした配信ミニドラマ。“おっちゃん”の決め台詞「おまち丼(どん)さま」を合言葉に提供される、心を満たす丼グルメと共に、自身の悩みの解決につながる糸口をその丼から得る若者の姿や、若者たちとの手探りなコミュニケーションを通じて自身の“アップデート”を目指す店主の姿が描かれる。
横型動画をTVerで、縦型動画をTVer公式SNS(TikTok、YouTubeShorts、LINEVOOM、X)で、それぞれ視点の異なるストーリーとして展開される。
野菜だらけの丼に隠された秘密とは?
初めての客は入るのに少し躊躇する老舗感のある佇まいの「おっちゃんキッチン」。しかし、今夜の客は一味違う。お店に入るなり、「野望は悪くない。私もそそられた。働く女子が一人で入って美味しいご飯とか食べられそう。でも大変失礼だと思いますが、その他が全然ダメ」と痛烈なダメ出しをする彼女は、25歳の若手経営者・栗原(佐竹桃華)だ。普段はコンサルの仕事をしているそうで、食レポも分析的。「アサイン」「バジェット」とやたら横文字を使いたがる栗原に学は苦手意識を持つ。
そんな彼女から「私に任せてくれたら人気店にして見せる」と持ちかけられ、さりげなく断る学。すると、栗原は「仕事もうまくいかなきゃ家庭もうまくいかない」と主夫をしているパートナーへの愚痴を語り始める。自分に代わって完璧に家事をこなしてくれる理想の夫だが、気になる点が一つだけ。それは望むものはなんでも与えているはずなのに、夫が満足していないということ。聞くと夫は、自分にも仕事の話をしてほしいと言っているらしい。夫が会社員、妻が主婦という逆のパターンでもよくある話なのではないだろうか。
しかし、栗原はそんな夫の希望を「無理よ!」と跳ね返す。そんな彼女に学が作ったのは、こっそりステーキ丼。一見野菜だらけだけど、奥に立派なサーロインステーキが眠っている。その料理を食べて自分の過ちを自覚した栗原。コンサルの仕事を手伝いたいのではなく、妻の抱えている悩みや不満を知ろうとする夫の不満に隠れた本当の思いに気づいた。
家出中の娘とすれ違い続ける学
栗原を演じた佐竹は、2020年に行われた「第44回ホリプロタレントスカウトキャラバンミュージカル次世代オーディション」で17LIVE賞を受賞し、芸能界入り。ドラマはもちろんのこと、舞台でも活躍しており、「ハリー・ポッターと呪いの子」にも出演した。今年12月からは人気アニメ「推しの子」の実写舞台で有馬かな役を演じることも決定しており、ますます注目を集める栗原がいまどきのバリキャリ女子を演じた第11話。
一方、学は栗原の言葉で自分も家出中の娘・サクラに直接伝えようと「住所を教えてください」とメッセージを送る。しかし、すぐに「無理」と冷たい返信が。本作では、母親の死をきっかけに娘とすれ違う学が、買い出しを忘れるほど思い悩む姿を描いてきた。そこで自分も変わろうと若い女性客との交流を通じ、コミュニケーションのアップデートを図ってきた学。だが、なかなかその思いはサクラに伝わらない。
そんな「おっちゃんキッチン」も次週でついに最終回を迎える。果たして学の頑張りは伝わるのか。未だベールに包まれているサクラが最終回にして初登場を果たすのかにも注目してい。
■文/苫とり子