第一線で輝く芸能人にとって、普通の人には無い魅力があることは必要不可欠である。人の目を引き憧れの的となったり、誰かの“推し”となり尊敬や慕われ続ける芸能人には、必ず理由があるもの。主演ドラマ「ライオンの隠れ家」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)が放送中の俳優・柳楽優弥に、再び注目が集まっている。また、こちらも主演を務めるドラマ「ガンニバル」シーズン2が2025年3月19日(水)よりスタートすることも発表された。爽やかなサラリーマン役からサイコパスで暴力的、狂気、不気味な役まで、どんな役でもこなす柳楽からは、俳優としての“勘の鋭さ”を感じる。その魅力を詳しく紹介していこう。(以下、「ライオンの隠れ家」の一部ネタバレを含みます)
「誰も知らない」から20年…
1990年3月26日生まれの柳楽優弥は、役によっては若くも見え、年齢不詳の印象もあるが現在34歳。女優でモデルの妻・豊田エリーとの子どもがいるパパでもあり、つい最近も「こんなかっこいい中学生パパおらん。。」という内容のあるXの投稿に9.6万超のいいね!が集まる大反響となっている。
いつのまにか34歳になっているという気持ちをこちらに抱かせるのは、やはり映画「誰も知らない」(2004年)で鮮烈なデビューを飾ったからか。2004年の第57回カンヌ国際映画祭では、当時14歳で史上最年少かつ日本人で初めて最優秀主演男優賞に輝き、審査委員長を務めたクエンティン・タランティーノ監督も柳楽の目ヂカラとその自然体な演技に驚いた。柳楽は親に育児放棄され、子どもだけで暮らすことになってしまった4人きょうだいの長男を演じた。あれは見た後の数日、人によっては数カ月にわたり、心にズシンと残るタイプの作品である。
俳優としての“勘の良さ”
初めてのオーディションだったにもかかわらず自然体に映ったのは、メガホンをとった是枝裕和監督が子どもたちに台本を渡さずに撮影したという手法のおかげというのはもちろんのこと、依然として活躍中の柳楽の演技を思うと、俳優としての“勘の鋭さ”が元々備わっている人なのだろう。
ここでいう“勘の鋭さ”というのは、監督や視聴者が求める姿や作品の世界観に合った演技を限りなくイメージに近い形で表現することができる人のことを述べている。それには客観的に物事を捉える力があり、俳優自身の個性を強く出したり、時として抑えたりする調整力もあるということ。年齢と経験を重ねた柳楽は、さらにその“勘”を研ぎ澄ましているようだ。