俳優のチャン・ドンゴンが11月20日、都内で行われた映画「満ち足りた家族」ジャパンプレミアにホ・ジノ監督と共に出席。自身が演じた役柄に惹かれた理由を明かした。
チャン・ドンゴン、日本のファンを前に笑顔
本作は、「八月のクリスマス」で商業長編監督デビューするなり韓国映画ニューウェイブの始まりをいち早く世界に告げたホ・ジノ監督による、豪華キャストが集結した衝撃のサスペンス。チャン・ドンゴンはどんな時も道徳的で良心的であることを信念に生きてきた小児科医・ジェギュを演じる。
チャン・ドンゴンが登場すると、観客からは歓声が上がった。チャン・ドンゴンは笑顔を見せたり手を振ったりして「こんばんは。チャン・ドンゴンです」と日本語であいさつ。「久しぶりに作品を持ってみなさんに直にお会いできることをとてもありがたく思っています。みなさん、お会いできてとてもうれしいです」とほほ笑んだ。
作品のお披露目についてチャン・ドンゴンは「本作が初めて公開されたのは、昨年のトロント映画祭でのことでした。そのときに海外のみなさんの反応がよかったので、とても安心したことを覚えています」と述懐。「文化の違いがあるにも関わらず、本作の細やかなところまで共感してくれたことに安心しました」と振り返り「今度は日本の観客のみなさんが本作をどのようにご覧になるのか、とても楽しみでワクワクしています」と声を弾ませた。
自身が演じた役に惹かれた理由を明かす
さらにチャン・ドンゴンはホ・ジノ監督について「俳優をとてもリラックスさせてくださる。もちろんいろんなことに粘り強く取り組まれる監督ではあるのですが、私たちの話に耳を傾け、俳優のことをとても理解してくださる」とコメント。チャン・ドンゴンは熱弁し、通訳が長めのコメントを訳した後には日本語で「おつかれさまでした」と通訳を労う場面もあった。
自身が演じた役に関しては「ジェギュという役柄に惹かれたひとつは、より現実に足の着いた役柄だと思ったことです」と告白。ジェギュは道徳的でいい人だと説明し「ただ、そんな人の裏側にも隠れた本性がある。それを映画の中で見せていける、より立体的なキャラクターとして演技できるのではないかと考えました」と打ち明けた。また「実際に演技をしながら、このキャラクターは表面的なもののみならず、監督と一緒にいろいろとお話をしながら彼の隠れている本性や弱点を少しずつ出していけるといった点で、演技をしながらもとても楽しい作業となりました」とかみしめた。
◆取材・文=山田果奈映