就職活動を舞台に6人の登場人物の裏の顔が巧に暴かれていく、“密室サスペンス”と“青春ミステリー”がかけ合わさった映画『六人の嘘つきな大学生』が11月22日(金)に公開される。新卒採用をかけて最終面接に挑む6人が繰り広げる予測不能な会話劇を演じた6人から、今回は嶌衣織役の浜辺美波と、矢代つばさ役の山下美月にインタビューを実施。共演者とのエピソードを中心に話を聞くと、仲睦まじい姿が浮かんできた。
就職活動は「オーディションに近いのかなと感じた」
――完成作を見て「おもしろい」と感じた部分を教えてください。
浜辺：最後まで、誰がどんな嘘をついているのか、いちばん悪いのは誰なのかというのがわからないところは、すごくドキドキしますし、爽快感や疾走感に似た感覚もあるなと感じました。6人全員が怪しく思えてきて、疑心暗鬼になっていく点もおもしろかったです。
山下：物語でそれぞれのキャラクターが初めて登場した時の第一印象と、密室で会話をしている時の印象がだんだんと変化していくところがすごくおもしろいなと感じています。それから、全編を通して見た時に、みんなそれぞれが成長している気もして。そこのコントラストがとても見ごたえのある作品だなと思いました。
――作品を通して就職活動を経験したおふたり。何か思うことはありましたか？
浜辺：私たちの世界でいう、オーディションに近いのかなと感じました。やっぱりオーディションや面接などの、誰かと初対面の時って「第一印象を良くしよう」と思ってしまって、仮面で顔を隠してしまうことが多いというか、誰しもが無意識にやっていることだなと思うんです。そういうときの内から出る闘争心のような感情が、きっとリアルの世界にもあるんだろうなと思いました。
山下：人生が決まる大きな岐路だと思うので、考えれば考えるほど、映画の中の6人のように追い詰められていくだろうなと思いました。周りが仲間でもあり、ライバルでもあるという環境は、神経がすり減っていくだろうなと思います。特に、この撮影の前後ぐらいで、私と同年代の子たちが就活を終えていたということもあり、すごく疲弊しているのを感じましたし、いろいろなことを考えさせられました。
浜辺：それから、些細なことで言うとストッキングを履き慣れていなくて。爪に引っ掛けて、何度か破いてしまいました。あんなにもろいものだとは思っていなかったので驚きました。就活生の皆さんは、予備とかも持ち歩いているそうですよね？ 大変だなぁ…。
山下：私は、就活の場で実際にあるかはわかりませんが、真面目なシーンのときに笑ってしまってNGを出しちゃうことがあって。会議室で誰に投票するかの正の字を書くシーンが、セリフもなく、黙って線を1本書くだけなのにおもしろくなっちゃって。仲がよすぎても大変だなと思いました。
浜辺：わかる。あのシーンは、何にもないからこそ、おもしろかったよね。
6人の中のムードメーカーは赤楚衛二、嘘が下手そうなのは佐野勇斗＆西垣匠
――SNSを拝見していると、仲が良い6人。おふたりにとって、どんなチームでしたか？
山下：すごく仲が良くて、撮影中もシーンとは裏腹にずっと和気あいあいとしていました。それから6人全員のチームワークも良くて。すごく演技がしやすいチームでした。
浜辺：美月ちゃんが言ってくれた通り、仲が良いのはもちろん、協調性がある6人でもあるんです。「この作品をおもしろい作品にしよう」と同じ方向を向いて、歩みを同じように進められた6人だからこそ、撮れた作品だなと。撮影が終わってからも、会うたびにほっとします。
――特にどんなことで盛り上がりましたか？
浜辺：最近は、佐野くんの一言一言が全部おもしろくて、しゃべるたびに笑ってしまいます。私たちの間でおもしろくて、ツボな存在なんです。
山下：私は赤楚くんがムードメーカーとして盛り上げてくださっていた印象がありました。最年長として、みんなをまとめてくれる一面もあるんですけど、ちょっと天然っぽいところはおもしろくて。不思議な嘘をついたりするんですよね(笑)。
――実際に6人の中で、1番嘘をつくのが上手そうな人はどなたでしょう？
浜辺：美月ちゃんかも。美月ちゃんは器用なんです。だから、嘘をつきとおすって決めたら、しっかりと計画立てて、嘘を嘘と思わずに、淡々とやり遂げるんじゃないかなと。
山下：私は倉くんですかね。普段から良い意味で、ふわふわしてらっしゃいますし、自分のことをそんなに話したがらないタイプなので、ちょっとミステリアスで。もし嘘をついていても、嘘か本当か読めないだろうなと思います。逆に、下手そうなのは…佐野くんですね(笑)。あんなに愛されキャラで笑いをかっさらっていくタイプなのに、あれが嘘だったら…もう何も信じられなくなりそうです。
浜辺：たしかに！ あとは、西垣くんも下手そうだよね。あの通り、すごくいい子だから、嘘をついたことがそもそもなさそう。自分では隠しているつもりでも、半笑いになっちゃったり、顔が赤くなっちゃったり、隠しきれなさそうだなと思います。
